約70%の人が治らない過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は治らずに悩んでいる人の多い症状です。
どれぐらいの人が治っていないかというと、アメリカで有名なメイヨークリニックの研究では、最初の受診から12年経って、70%もの人が治っていなかったという研究報告があります。(1)
これは受診した患者さんにアンケートを送付し、12年後に症状がどのように変化していたかを調べた研究です。
症状が治った方は、わずか30%しかいませんでした。
過敏性腸症候群に悩む人は多く、人口の11%の人が過敏性腸症候群に該当すると言われています。(2)
特に2,30代に多く、大学生の20%以上もの人がなっているという調査結果もあります。(3)
これほど治りにくい過敏性腸症候群ですが、逆を言えば、30%の方は症状が治っていました。
治らなかった方との違いはなんでしょうか?
どうしたら過敏性腸症候群を治すことができるのでしょうか?
この記事では、
・過敏性腸症候群が治らない原因
・どうしたら治るのか
についてお伝えします。
現代医学が研究や調査をして分かっていることと、当院が患者さんをみてきて分かったこと、理論と実践の両面からお伝えします。
この記事を読むことで、自分の症状を悪化させているポイントが分かったり、改善するためにどんな行動が必要かが分かります。
過敏性腸症候群は、生活に大きな支障をきたす症状です。
仕事や学校に通えなくなる方、電車やバスにも乗れなくなる方がたくさんいます。
また、本人だけでなく、周りの家族も心配し、ツラい思いをしてしまっているケースも多くみてきました。
そんな患者さんがなぜたくさんいるのでしょうか?
なぜ治らないのでしょうか?
当院では、これまでに多くの方が改善されてきました。
そのなかで分かったことは、治らずに悩んでいる方は、根本的な原因を取り除けていないケースが非常に多いということです。
生活環境やストレスの原因、食事習慣など様々な要因が関係しています。
そのため、それらの原因に合わせた治療が本来必要なはずです。
薬の存在を否定するわけではありません。
急を要する場合、どうしてもツラい時は薬は良いものですが、はたして引き起こしている原因を見つめず、ずっと飲み続けるものなのでしょうか?
根本原因を取り除くには、何が症状を引き起こしているか把握する必要があります。
だから、当院が経験上知ったこと、論文などで明らかになっていることをもとに、お伝えします。
本当に信じていいのかな、と心配になる方も多いかと思います。
当院で改善された方の一例をご紹介します。
必要ない方は飛ばしてください。
何件も病院に行って良くならなかった、何年間も続いた下痢が、まったくなくなりました
何年間も毎日、下痢、血流障害に悩まされていました。
何件も病院に行ったので、整骨院で治るかどうか不安でしたが、胃下垂を整体で治せると聞いて、来院を決めました。
施術に通って、下痢がまったくなくなりました。
大阪市 中央区在住 T.Kさん
*個人の感想で、成果を保証するものではありません。
病院で薬をもらっても治らなかった症状がだんだん良くなりました
過敏性腸症候群と自律神経の乱れに悩んでいました。
整体で本当に症状が治るのか迷っていましたが、病院で薬をもらっても治らないため行ってみようと思いました。
通院していくうちに、リラックスできて、症状もだんだん良くなりました。
来院して良かったと思いました。
悩みを親身に聞いてくれるとても良い先生がいます。
大阪市 阿倍野区在住 R.Dさん
*個人の感想で、成果を保証するものではありません。
こちらに通って、潰瘍性大腸炎が発症しなくなりました
潰瘍性大腸炎・便秘・イライラ・腰痛・肩こり・育児による慢性疲労に悩んでいました。
行ったことのない場所、店、施術なので少し不安でしたが、腸もみのみならず整体も合わせて行ってもらえるので、来院を決めました。
こちらに通って、潰瘍性大腸炎が発症しなくなりました。
体の不調がすべて劇的に改善され、自分の体を健康に保てる一生モノの知識が身に付きました。
大阪市 港区在住 中山 えりかさん
*個人の感想で、成果を保証するものではありません。
過敏性腸症候群が2ヶ月目ぐらいから劇的に良くなりました
過敏性腸症候群(IBS)に悩まされていました。
他医療機関で良くならなかったので、整体で良くなるのかどうか不安がありました。
また言葉は悪いですが、半信半疑でした。
実際に通院をすると、2ヶ月目ぐらいから劇的に良くなりました。
食事面でも指導していただけるので、その指導を良く守ることが完治への早道だと思います。
滋賀県 栗東市在住 H.Oさん
*個人の感想で、成果を保証するものではありません。
具体的な改善事例
大学病院にまで行っても治らず、仕事を休職せざるをえなかった過敏性腸症候群の改善例
過敏性腸症候群は、FGIDs(機能性消化管障害)と呼ばれるものの一つです。
ごくまれに過敏性大腸炎と診断されることもありますが、さし示している症状は同じです。
昔は検査器具や技術が未熟で、大腸しか調べられなかったことが原因で、かつては大腸の問題だと考えられていました。
その後、検査器具や技術が発達して、小腸も調べられるようになりました。
実態が少しずつ分かり、名称も変わったのが、過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)です。
便の形状によって分類され、
- ・便秘型
- ・下痢型
- ・交互型(混合型とも)
- ・分類不能型
深刻なケースの多いガス型は、症状としては認知されながらも、この分類には含まれていません。
あくまでも便の形という、目に見えるもので分類されているためです。
ガス型については現在、SIBO(小腸内細菌増殖症:Small Intestinal Bacterial Overgrowth)とも呼ばれています。
過敏性腸症候群の特徴
過敏性腸症候群の特徴は、
・見た目では変化が見られない
・機能、働きに問題が起きている
ことです。
そのため、内視鏡やMRIでは原因が分かりません。
このような検査で分からない疾患は他にもあり、機能性消化管障害(FGIDs)と言われています。
当院で来院される患者さんにも、病院で検査をしたのに「異常が見つからない」と心配される方が少なくありません。
過敏性腸症候群では一般的なことで、この件については極端に不安にならなくても大丈夫です。
(むしろ検査で異常が見つかるケースでは、潰瘍性大腸炎やクローン病などのより重篤な疾患が疑われるケースもあります)
腸内の感覚が過敏になっている
腸の粘膜の神経が過剰に敏感になっています。
そのため少量の便が腸に届くと、すぐに便意を催します。
ガスが溜まるとすぐに腹痛や不快感を感じる、トイレに行くと出られないといった症状は、この腸の過敏状態が引き起こします。
腸内細菌叢が変化している
便やおならがとても臭くなります。
便の色、柔らかさ、硬さにも関係します。
小腸内で腸内細菌が繁殖することで、いわゆるガス型(SIBO)を引き起こす原因にもなります。
体臭や口臭で悩む方が多い原因です。
腸内細菌は非常に色々な働きをしているため、人が作りだすビタミンの生成が不足したり、メンタルに悪影響があったりと、その影響は非常に多岐に渡ります。
不安やうつになりやすくなる
腸環境が乱れると、脳の一部に過剰な活動や抑制が起きます。
強い不安に悩まされるようになったり、うつ、集中力の極端な低下といった症状が起こります。
腸と脳はお互いに影響しあっています。
脳腸相関と呼ばれる現象で、「腸は第二の脳」などと呼ばれる理由です。
腸の粘膜が有害物質を防げず、吸収してしまう
過敏性腸症候群の方の腸粘膜は、密度が薄くスカスカした状態になっています。
栄養や水分といった有益なものを吸収するだけでなく、食べもののカスや菌といった有害な物質まで一緒に吸収してしまいます。
口や皮膚から体臭がする、慢性疲労、頭痛などの原因になっていると考えられています。
過敏性腸症候群はいろいろな原因が絡まり合って引き起こされますが、しっかりと良くなっていく人には共通点があります。
それは根本原因を解消できた人です。
過敏性腸症候群の症状を抑えようとしても、一時的な変化はあっても、根本的な解決にはなりません。
生活習慣や考え方、環境といった、根本的な原因が取り除かれることで、改善します。
過敏性腸症候群の原因は完全には解明されていません。
そのため、まずは現代医学が今考えている説を紹介し、その後に当院が考える根本的な原因を紹介します。
ストレス
一般的に知られている原因の一つです。
ストレスを感じると、自律神経が乱れてしまいます。
また腸からセロトニンというホルモンが放出されることで、腸の筋肉が異常に収縮し、腹痛を発します。
本来、セロトニンは脳に対して精神の安定や集中など良い影響を与えるホルモンです。
過剰なストレスによって、ストレスに備えた反応が上手く働かず、エラーを起こしてしまった症状とも言えます。
脳の機能異常
脳の感情の部分、内臓の感覚を感じる部分、意欲や直感に関係する部分の働きに異常が起きます。
脳と腸は相互に影響を与え合っている仕組みです。
脳腸相関として知られています。
腸内細菌の異常
腸内環境の乱れも大きく関係しています。
過敏性腸症候群の方は、特定の菌が多かったり、逆に少なかったりする傾向があります。
遺伝子の影響
ゲノム解析によって、腸の粘膜のバリアに関係する遺伝子が少ない人に発症しやすいと考えられています。
食事
FODMAPsと呼ばれる種類の糖を多く含む食事は、過敏性腸症候群を悪化させると考えられています。(4)
ただ、オーストラリアで発生した考えで、取りいれている欧米でもまだデータ数が少なく、日本人にとっての影響は定かではありません。
また牛乳やヨーグルト、オリゴ糖といった、腸内環境を改善すると考えられている食べものについても、FODMAPsの含んだ糖が多く、現在はメリットとデメリットの両方が主張され、医師によって意見が異なっています。
感染性腸炎
菌やウイルスに腸が感染した後に、過敏性腸症候群になりやすいことが分かっています。
「感染性腸炎後過敏性腸症候群」と呼ばれています。
当院では、過敏性腸症候群を引き起こす根本的な原因を、次の3つだと考えています。
・猫背などの姿勢の問題
脳から出ている自律神経は、背骨の中を通って全身に伸びています。
骨格のバランスが崩れて姿勢が悪くなると、通り道を圧迫してしまい、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
・自覚していない食事による負担
多くの方が、食事には気を付けています。
ですが、自覚せずに腸に負担をかけているケースが多くみられます。
腸内環境の改善の代表例のようなヨーグルトも、合わない人には悪化させてしまう原因になります。
・ストレスの影響
ストレスと一口に言っても、その原因は多岐に渡ります。
将来への不安、周囲とのコミュニケーションといったものから、睡眠不足、思考パターンの癖(悪いことを繰り返し想像してしまうなど)その方の状態に合わせ、解消していく必要があります。
一段階目は、腸の働きに対して投薬での治療が行われます。(7)
(下剤、下痢止め、腸内運動に関係するセロトニンの吸収を阻害する薬など)
これらの薬で効果がなかった時は、次の段階に進みます。
第二段階目では、心理面での治療が加わります。
(抗不安薬、抗うつ薬、心理療法、催眠療法、認知行動療法、マインドフルネスストレス漸減法、抗生物質など)
診療時間や保険での診療報酬などの問題もあって、投薬中心の治療になるケースがほとんどです。
その他最新の研究では、症状のない人の腸内細菌を移植する研究なども行われています。
今から紹介する対策は、実際に通院をされている患者さんにお伝えし、多くの方が効果を挙げてきた方法です。
・食事の気を付け方
一人ひとり、合う食べものや摂取できる許容量は違います。
誰かが大丈夫な食べものも、自分には合わないかもしれません。
ヨーグルトは腸に良い、というのも間違いではありませんが、乳糖不耐症といって、日本人には乳製品が合わない人が非常に多く、一説には90%~95%とも言われます。(5)
自分のお腹の感覚に耳を傾けて、なんだか調子が悪くなる、と思うものは避けてください。
また、ガマンしてストレスを溜めすぎている方は、非常に少量から増やし、大丈夫な量を把握して、上手に付き合っていきましょう。
(アレルギーのある方は気を付けてください)
・野菜や果物の摂取量を増やす
当院では、お肉や脂ものの多い食事を減らし、野菜や果物の摂取量を増やすようおススメしています。
野菜や果物には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
腸の善玉菌を増やすだけではなく、下痢型の人には便の水分吸収を助け、便秘型の人には便通を促してくれます。
・インスタント食品や加工食品を避ける
すべての食品が悪いわけではありませんが、防腐剤や化学調味料などの添加物、酸化した油が腸に負担をかけてしまいます。
完全にストップするというのも、難しいケースもあるかもしれません。
食べる頻度を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
・睡眠をしっかりとる
内臓が休み、回復するのに十分な睡眠が欠かせません。(9)
睡眠をしっかり摂ると、腸粘膜のバリアが回復しやすくなります。
また、睡眠時には腸が活発に動き、腸内の微細なゴミを掃除してくれます。
睡眠が不足すると、自律神経の乱れや、ストレスの増加など、多くの弊害があるので、しっかりと眠ることはとても重要です。
・お水をしっかり飲む
胃腸を十分に働かせるには、たっぷりとお水を飲むことが重要です。
人の体は水分が不足すると、運動機能、脳の働き、ストレス耐性など、体に関わる非常に多くの機能が低下してしまいます。(8)
ところが、過敏性腸症候群の方は、十分にお水を飲んでいないケースがとても多いです。
一気に量を増やすのはツラくても、意識して水を飲み、最終的に1日1.5~2リットルを目標にしてください。
便秘や下痢型に問わず効果的です。
・スマホ首
過敏性腸症候群の方の特徴の一つに、スマホを使っているときに、下を向いて見ている方が非常に多いです。
肩こりだけでなく自律神経を乱れさせる原因になります。
できるだけスマホの位置を高くするように気を付けてください。
首への負担がとても軽減されます。
・ボキボキしない
首をぐるぐる回したり、ボキボキと鳴らしていると、骨格のバランスが崩れてしまいます。
肩こり、首こりに悩んでいる人ほど癖になって、ますます悪化させてしまうので、鳴らすのを止めるようにしましょう。
・骨格のバランス調整
一度崩れた骨格のバランスは、自分では非常に整いにくいです。
そのため、自力で整えようとするよりは、さらなる悪化を防ぐため、姿勢に気を付けることが効果的になります。
・心理的な面でのストレス調整
心理的なストレスは、思考の癖やものごとの捉え方に影響を受けるため、改善の難しい問題です。
また、医療機関でも十分なカウンセリングを受ける時間がなかったりと、とっかかりを得づらいという問題もあります。
・環境の問題
職場環境、受験や学校、家庭環境といった、ストレスの原因になっている問題は、対策の難しい問題です。
もちろん転職や受験シーズンの終了などでストレス源を取り除かれることもありますが、考え方の問題がストレスを引き起こしている方では、環境が変わっても軽快しない例も少なくありません。
まとめ
過敏性腸症候群で治らずに、深く悩んでいる方が一人でも少なくなることを願っています。
薬を飲んでも治らない、と悩んでいる方も、けっして改善しないわけではありません。
まずは紹介した対策で、ご自身で当てはまるものを取り入れてみてください。
一つひとつは大したことがないように思えるかもしれませんが、確実に体に良い影響を与えてくれます。
どうか治ることを諦めないでください。
引用文献一覧
6)Effects of changes in water intake on mood of high and low drinkers.
8)Even Mild Dehydration Can Alter Mood
Effects of changes in water intake on mood of high and low drinkers.
9)睡眠と腸内細菌叢
機能性消化管障害(FGIDs)
機能性ディスペプシア(FD)、非びまん性胃食道逆流症(NERD)、過敏性腸症候群(IBS)などを合わせた総称。口から肛門までの組織的には問題がなくとも、機能に異常が起きているものを指す。
脳腸相関
脳は腸に、腸は脳に、それぞれ影響を与え合っていること。過敏性腸症候群では、腸内環境の悪化から、 脳の内臓感覚由来の感覚運動ネットワーク、顕著性ネットワーク、情動覚醒ネットワークと呼ばれる部分の異常が検出されます。
ストレス
心理的なストレス以外にも、非常に数多くのストレスがあります。心理学的には1.物理的・生物的・化学的ストレス。2.社会的ストレス。3.心理的ストレス。4.身体的ストレスに分けることができます。身近な所では騒音や悪臭、アレルギー反応(1)や疲労、痛み(4)などもストレスの原因です。
→症状の改善に施術を受けたい方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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院情報
院名
創輝(そうき)鍼灸整骨院
院長
尾原秀祐
所在地
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大阪市住吉区長居3-2-3-1F
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