生理不順になってしまったら、自分でとれる対策はないのでしょうか?
生理が順調にきていない。
薬を飲んだら安定するけど、飲まないとすぐに乱れてしまうとお悩みではないでしょうか?
生理不順に悩む女性は多く、約17%もの方が生理不順になっているという厚生労働省の統計があります。(1)
生理不順のひどい方で特に問題になるのが、不妊の原因になりうるということです。
「生理不順を良くしたいけど、自分でどう対策を取ったらいいか分からない」
「薬は飲みたくないけど、他にできることがない」
このような悩みを抱えている方が多くいます。
では、生理不順になってしまったら、自分で取れる対策はないのでしょうか?
生理不順の原因と自分でできる対策
生理不順を引き起こす根本的な原因は一つではありません。
いくつもの原因が重なって起こっています。
そのため、一人ひとり違った、自分に合った対策をとることが重要になってきます。
ところが、生理不順について悩んでいる方の多くが、自分の原因に合わない対策をとってしまっています。
この記事では、
・医学的な研究や調査の統計で分かっていること
・当院が患者さんをみてきて分かったこと
理論と実践を組みあわせた対策をお伝えします。
自分の抱えている原因に対して対策がとれるので、より効果的な方法を無理や無駄なくとれるようになります。
なぜ薬を飲み続けることは良くないのか?
生理不順は産婦人科にかかり、ホルモンを調整する薬によって生理周期を調整するのが一般的です。
薬は症状を抑えることに対して、とても効果的です。
ただ、なぜその不調が起きたのか、その根本的な原因を取り除くことを目的としていません。
閉経までの間、薬を飲み続けるという選択もありますが、薬には当然副作用も存在します。
長期的な服用でのリスクも出てきます。
当院は薬の効果を否定しているわけではありません。
ただ、メリットやデメリットを知ったうえで薬とどのように付き合うか選ぶことが重要です。
理想的なのは、『薬を飲む必要もないほど体の機能が整っている』ことです。
そのためには、生理不順を引き起こす根本的な原因を取り除く必要があります。
生理不順は突然なるわけではありません。
日常生活の積み重ねによって、体の調子が崩れ、機能に問題が起きて引き起こされます。
だからこそ、体の調子を良くして、機能を整えることが根本的な解決に繋がります。
これからお伝えすることを実践すれば、それで必ず治るというわけではありません。
程度によっては治療や施術が必要な場合もあるでしょうが、体が良くする方には向かっていきます。
ぜひ取り入れていただきたいと思います。
そもそも生理不順とはどういう症状なのか?
正常な生理周期とは、28~35日間だと日本産科婦人科学会で定められています。
これより短くても、あるいは長くても「生理不順」と呼ばれ、3ヶ月以上生理がない状態は「無月経」と呼ばれます。
生理不順の中でも、無月経は子宮に筋腫など、なにか問題を抱えている可能性が高いため、検査が推奨されています。
この生理周期ですが、主に『脳の視床下部』と『卵巣』という二か所で調整されています。
生理不順はこれらの場所の働きに何らかの問題が起きて、正常な調整ができなくなってしまった状態です。
生理不順はそのままにしておくと良くないの?
たとえば「生理が不順でも、妊娠を望んでいなければそのままでいいのか?」というと、そうではありません。
子宮の細胞の入れ替わりが上手くいっていないと、子宮内膜症や子宮筋腫になりやすくなります。
また、子宮体がんのリスクになることも分かっています。
これらの他にも、女性ホルモンのバランスが崩れ、骨がもろくなる骨粗しょう症を発症しやすくなるといった問題もあるため、解消しておいた方が良い症状です。
ピルの効用とリスクについて
生理不順の治療でもっとも一般的なのが低用量ピルでの治療です。
昔は処方されるホルモン量が多く、副作用も非常に強かったため、現在ではできるだけ副作用の出にくいように改善された『低用量』ピルが処方されます。
ピルは手軽にホルモンの補充ができます。
効用としては、
・生理周期の調整
・生理痛の減少
・月経過多の改善
・卵巣癌のリスクの軽減
・避妊
といった効果が見られます。
短期服用での副作用には、頭痛やめまい、ほてりなどの症状が出る場合があります。
長期服用のリスクについては、次の3点について、事前に指導するよう日本産科婦人科学会が定められています。(4)
・乳癌のリスクの上昇
・子宮頸がんのリスクの上昇(10年の使用で2倍)
・静脈血栓塞栓症のリスクの上昇(3~5倍)
生理不順の根本的な原因とは?
生理不順と特に関係しているのが、『自律神経の乱れ』と『内臓疲労』の2つです。
というのも、自律神経と生理を調整している『視床下部』は、ものすごく密接に影響を与え合っています。
視床下部は生理周期の他にも、人が生きていく上で、日常生活の様々な場面(食欲、性欲、睡眠欲、ストレスへの防御反応、体温調整など)において調整しています。
そのため、自律神経が乱れると、間接的に視床下部も影響を受けてしまいます。
そして、内臓は血流やリンパの流れが、他の内臓と相互に影響を与えています。
子宮や卵巣以外の内臓が疲労しても、血流などが悪くなることで、子宮や卵巣の状態が大きく影響を受けてしまいます。
子宮や卵巣を含めた内臓の状態が良く、自律神経やホルモンバランスが整っていれば、生理周期は乱れにくくなります。
生理周期を安定させる3つのポイント
生理不順を引き起こす原因に対して、自分でできる対策は色々あります。
ここでは当院に来院された患者さんに多くみられる共通の原因から、重要なものを紹介します。
すべてを実践して欲しいわけではなく、当てはまるものがあれば、ぜひ取りいれてください。
1.首のバランスを崩さない
首は自律神経のバランスと深く関係しています。
自律神経が、脳から背骨の中を通って全身へと伸びているためです。
首のバランスについては、今以上に負担をかけず、バランスを崩さないようにすることが第一です。
スマートフォンの普及によって、首に負担をかけている人が非常に増えました。
下を向いて使う人が非常に多いですが、首に大きな負担をかけてしまいます。
またバランスを崩してストレートネックを引き起こす原因にもなります。
スマホを使う際には、持つ位置をできるだけ高く保つように心がけてください。
使用頻度が高いからこそ、ちょっとした改善が首へ良い影響を与えてくれます。
デスクワークなどでパソコンを使うような方も、できるかぎり画面の位置を高く、目の高さに近づけることで、前かがみの姿勢を解消し、首への負担を減らすことができます。
2.内臓を活発に働かせる
内臓疲労を引き起こす原因には色々ありますが、特に重要なのが、食事バランス、水分補給、睡眠の3要素です。
食事バランス
内臓の働きと、食事には深い関係があります。
特に女性に多いのが、甘いものの摂りすぎや間食といった問題です。
生理不順の方の一部で問題となる多嚢胞性卵巣症候群の原因のひとつに「インスリン抵抗性」があると言われています。(5)
これは野菜不足や甘いものの食べすぎ、間食、夜食、夜遅い時間にお腹いっぱい食べるなどで、血糖値が一気に高くなったりすることで、体に大きなダメージを受け、生殖機能に影響を受けてしまった状態です。
・お肉や脂もの、甘いものを食べすぎない
・炭水化物ばかり食べず、野菜などバランスよく食べる
・間食を取りすぎない
といった食事バランスに気を付けてください。
十分な水分を摂取する
1日にどれぐらいのお水を飲んでいますか?
人の体が十分に機能するには、水分が欠かせません。
脳の働きも、体内の水分が1%減るだけで大きく働きが落ちます。
慢性的な水分不足は、生理を調整している視床下部にとっても、大きな負担になります。
ところが、生理不順で悩んでいる方の多くが、十分な水分を取れていません。
来院された患者さんの食事を伺っていると、1日に1リットル飲めていない方が大半です。
女性でも1日に1.5~2リットルの水分補給が必要です。(6)
これまで全然飲めていなかった人が急に飲む量を増やすのはツラいでしょうが、徐々に量を増やしてください。
睡眠不足
人の体は寝ているときに脳や内臓、筋肉などを回復させています。
睡眠時間が少ない人は、内臓が休まずに働き続けていることになります。
睡眠不足が健康に悪いことを知らない人はほとんどいないでしょうが、一般に思われている以上に体に大きなダメージを与えています。
大阪大学の研究では、睡眠が不妊に大きく関係していることを証明しています。(7)
毎日寝る時間がないという方も、小まめに寝る時間を確保したり、寝る前には神経を興奮させるようなことを避け、リラックスした状態で眠ることで、睡眠の質を高めることができます。
次のような方法も、睡眠の質を上げるのに効果的です。
・寝る前にパソコンやスマホを避ける
・就寝前にアルコールを避ける
・睡眠の2時間前に入浴し、体をしっかり温める
3.ストレスを溜めこまない
ストレスは多くの方が抱えている問題ですが、その原因は人それぞれです。
ストレス源を取り除くことが最善ですが、人によって事情が違いますので、ここでは詳しい対策をお伝えしません。
ただ、精神的ではなく身体的に負担がかかり過ぎてストレスになっているケースが少なくありません。
睡眠が不足していたり、食生活が乱れているといった、日常生活の基本的な部分に問題を抱えていると、ストレスを感じやすくなります。
睡眠時間の確保、軽い運動など、生活習慣を少し規則正しくすると、体調が良くなり、思った以上に気持ちも楽なるという方も多く、効果的です。
まとめ
薬は効果が高く、手軽というメリットがあります。
ただ、長期に使用する場合には、大きな副作用を引き起こすリスクもあります。
本当に重要なのは、体の機能を高める根本的な対策です。
生理不順を良くする3つのポイントは、
・首のバランスを崩さない
・内臓を疲労させない
・ストレスを溜めこまない
自分に当てはまる対策を、少しずつ取りいれてください。
→いろいろ試して良くならないとお悩みの方は、当院の生理不順に対する施術をぜひご覧ください。
引用文献一覧
3)月経不順・無月経 | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修
5)若い時期の月経不順の放置が不妊症の原因に-現代女性に多い「多嚢胞性卵巣症候群」と「やせ」による排卵障害 | メディカルノート
6)日本人の食事摂取基準(2015年度版)〈参考〉 水(厚生労働省)
7)加齢に伴う体内時計のズレが不妊症につながることが明らかに|大阪大学
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