種子骨障害が悪化して、一年以上走れなかった中学生が治った理由とは?
種子骨障害はスポーツをしている方にとって、深刻に悩むことの多い症状です。
慢性傷害と呼ばれ、一般的には治りづらい症状とされています。
種子骨障害を引き起こす原因の一つには、スポーツでの繰り返し動作があります。
度重なる動作によって体のバランスが崩れ、負担が集中してしまうことがあります。
今回ご紹介するTくんは、種子骨障害に悩む中学生です。
平日は陸上部で長距離を走り、週末はインラインスケート競技を本格的に取り組んでいます。そんなTくんが種子骨障害に悩まされ始めたのは、一年ほど前のこと。
「最初は走ってる時に、あれ、痛いなと思ったぐらいだったんだけど、練習を続けてるとどんどん酷くなって、足を着くのも痛くなりました」
最初は右足だけが痛かったのが、かばっているうちに左右両方に痛みが出るようになりました。
Tくんは体重をかける動作でも痛くなり、思うように走れなくなります。
特に本格的に取り組んでいたインラインスケートに支障が出ることに困っていました。
最初は近くの整骨院に通い、その後種子骨障害を専門としている病院にも行きますが、良くなりませんでした。
手術をしても痛みが残るケースもあると知り、手術以外の方法を模索します。
クッション性の高い靴を買ってみたり、整骨院でインソールを合わせてみるなど、色々な方法を試しても、治らない日々が続きました。
「息子が本気でやってるからこそ、なんとか治してあげたかったんです」
Tくんのお父さんは息子さんの治療にとても協力的で、一刻も早く競技に復帰させてあげたいと、ご自身でも色々と調べたりしていました。
その結果、自宅からはかなり離れた当院に来院を決めます。
発症から一年以上もの歳月が過ぎていました。
問診や検査の結果、Tくんの体にいくつかの問題が分かりました。
一つ目は、足の捻れがあったことです。
Tくんのしている陸上、インラインスケートのどちらも、基本的に左回りを続ける競技です。
そのため自然と体を左側に倒す癖がついていて、足の軸にも捻れが起きていました。
二つ目は、足首の関節や下腿の筋肉がすごく硬く、柔軟性を失っていたことです。
Tくんは膝を曲げてかがもうとすると、自然と踵が浮いてしまいます。
ふくらはぎの筋肉が緊張し、アキレス腱に柔軟性が失われていたことで、衝撃を吸収できなくなっていました。
当院の治療では、足を始めとして体の歪みや捻れを取り、過度に緊張していた足首の関節を柔らかくしました。
Tくんには足周りのストレッチをお伝えし、お水をしっかりと飲んでもらうことで、筋肉の柔軟性を高めてもらいました。
治療に対して、Tくんとお父さんはとても積極的でした。
遠方から車で通院の送り迎えをし、問題点についてやセルフケアの方法をノートにとっていたお父さん。
練習を続けながら、お伝えしたセルフケアを確実に継続したTくん。
親子ともに、良くなるために必死でした。
結果、治りにくいとされている種子骨障害ですが、原因を取り除いたことで、症状はしっかりと良くなりました。
「もっともっと速く走りたいです」
そう言っていたTくんは、その後好きな陸上やインラインスケートを続けています。
同じ側だけを酷使しない
スポーツ選手はどの競技も、基本的に同じ動作を繰り返します。
筋肉の発達の仕方が左右で違ったり、姿勢も左右に偏ったり、捻れたりといった問題がよく起きます。
体つきに左右差が生まれると、一見体が動作に馴染んだように感じます。
ですが、実際には一部の関節や筋肉に負担が集中しやすくなり、ケガが起きやすくなります。
同側の手足ばかりを怪我したり、何度も腰を痛めるといったケガをする選手がいるのも、バランスの偏りが大きく関係しています。
競技特有の動作を繰り返すことによって、特定の場所が鍛えられるのは、自然な反応ですが、左右差を極力減らすことが重要です。
T君であれば逆回りでも走る・滑る。
極端に固くなっていたアキレス腱をストレッチするといった対策がありました。
また、例えば野球であれば、逆方向にも素振りをする、ボールを投げる、といった対策が考えられます。
普段使っていない動作にはぎこちなさは生まれますが、体に均等な負荷をかけ、バランスを取り戻すことが可能です。
競技生活が長引けば長引くほど偏りは大きくなりがちです。
バランスの良い体はケガの予防はもちろん、パフォーマンスアップにも繋がります。
ぜひ、実践してみてください。
当院での種子骨障害の治療を知りたい方は、コチラをご覧ください。
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