免疫力を高める方法、自分でできる7つのコロナ対策

抗生物質の副作用を知っていますか?

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免疫力を高める方法、自分でできる7つのコロナ対策

コロナウイルスの蔓延で、非常に多くの方が強い不安や心配を感じていると思います。

感染症対策として、

「手洗い・うがいの徹底」

「換気を行う」

「人との距離を2m以上開ける」

「人ごみに行かない」

などの具体的な対策がありますが、免疫力を高めることについては、あまり知られていません。


自粛要請では怖いと感じていても、まったく外出しないわけにもいかないという方が大半ではないでしょうか?


・出勤するのに電車に乗っている

・生活のために買い出しに行って人と接触するのが怖い

・子どもが学校が始まったらうつってしまわないだろうか


このような不安を抱いたとしても、不思議ではありません。


コロナウイルスに感染している方と知らずに接触したとして、すべての人が感染する訳ではありません。

また、全員が重症化せず、8割の方は軽症で治癒すると報告されています。

(日本国内と合わせた事例はもっと低く、1473人のうち重症例は約4%)(1)


高齢者が危ない、基礎疾患を持っている方が危ない、など聞いた方も多いかと思います。


コロナウイルスには現時点で特効薬はありません。

予防効果のあるワクチンも、まだ開発されていません。


では、なぜ人によってかかってしまう人と、かかってしまわない人がいるのか?

どうやって治っているのか?


それは人の体がもつ、免疫力の働きの違いです。

だからこそ、免疫力を高める必要があります。


免疫力を高めることは、感染の予防に繋がります。

また、感染してしまった場合でも、重症化のリスクを減らすことができます。


ただ、免疫力を高めるために、どうすれば良いのか、具体的な手段は知っているでしょうか?


人は何をしたらいいか分からない状態で、リスクだけが高まると、強い不安に襲われてしまいます。


だからこそ、当院が知る知識と方法をお伝えしたいと思います。

エビデンス(医学的根拠)も合わせて紹介するので、安心してお読みください。


そして一つでも実践して、少しでも安心して過ごしてください。

それがあなただけでなく、ご家族や社会の問題を乗り越えることにも繋がります。


免疫力ってそもそも何?

免疫力って何?

人の体には本来、健康を阻害するものを排除する機能があります。

この働きを免疫と言います。


菌やウイルスだけでなく、がん細胞なども免疫によって取り除かれています。

これを【自然免疫】といいます。


免疫を担う物質は、主に「血液」や「唾液などの体液」に含まれています。

風邪を引くと鼻水が出たり、目やに、咳による痰が出るのも、余計なものを体の外に出そうとした結果です。


「マクロファージ」「NK(ナチュラルキラー)細胞」などの細胞が、問題となる物質を食べることで、健康を保ちます。

実際にはそれらの細胞が上手に働けるように、体の中でいくつもの補助が行われています。


ワクチンについて

ワクチンについて

免疫にはもう一つのタイプがあります。

「一度かかった病気に対して、かかりにくくなる」というもので、【獲得免疫】と呼ばれます。

一生効果のある場合もあれば、数ヶ月で消えてしまうものもあります。


ワクチンは、この仕組みを利用しています。

弱くしたウイルスや細菌などを接種することで、体に抵抗力をつける方法です。


現在、コロナウイルスについてはワクチンは開発されていません。

各国で一刻を争う勢いで研究が行われています。

また特効薬のない状態です。


そのため、病原菌に触れた場合には、人の体本来が持つ抵抗力が重要な役割を果たします。


免疫力は変化するの?

免疫力は変化するの?

一般的に人の免疫力は20歳頃がもっとも高く、後は年に2%ぐらい低下していくと言われています。(2)

40年後の60歳だと、全盛期のおよそ44.5%、

50年後の70歳だと36.4%にまで落ち込んでしまいます。


高齢者が感染・重篤化しやすいのは、この免疫力が低下しているためです。


ただ、年齢はあくまでも、要因の一つです。


生活習慣によって、高齢者でも20代の免疫力を保っている方もいます。(3)

逆に若くても不摂生をしていたら、免疫力も下がってしまいます。


免疫力の70%が働いているところ

免疫力の70%が働いているところ

人の体でもっとも免疫が働いている所、それが腸です。


腸は1000種類、100兆個もの菌が集まった場所です。

腸内の菌は、体に良いものばかりではありません。

ですが、同時に体の仕組みを健康に保つため、なくてはならないものです。


害を防ぎつつ、消化や吸収が行えるように、腸には免疫細胞が全身の70%も集まっています。


腸での免疫の働きは、全身にも影響を与えます。

免疫細胞が多くの種類の腸内細菌と触れることで、排除すべき異物は何か、排除しなくて良いものは何かを学習し、血液に乗って全身へと巡っていきます。(4)


腸の働きが活発で、腸内細菌が整っていると免疫力が高まるのは、この体の学習効果によるものです。


なぜスポーツ選手は体が強いのに、コロナ感染してしまっているの?

なぜスポーツ選手は体が強いのに、コロナ感染してしまっているの?

プロの野球選手やサッカー選手に感染が確認されて、意外に思った人も多かったのではないでしょうか?

あるいは「スポーツ選手でも感染するほど、強力な感染力なのでは」と怖く感じた方もいるかもしれません。


じつは、スポーツ選手は一般人よりもむしろ病気になりやすいという研究報告がいくつもあります。

その理由は、トレーニングのし過ぎによる免疫力の低下です。


プロスポーツ選手では運動パフォーマンスを高めるために「健康的な範囲」を超えて体を動かす必要があります。

激しい運動やトレーニングのし過ぎは、疲労を残します。


オーバーワークによる免疫力の低下は、Jカーブ理論といわれていて、スポーツ医学ではよく知られていて、多くの研究論文があります。


また免疫力以外にも、


・運動中は呼吸数が増えるので菌やウイルスを吸いやすい

・運動中は唾液の量が減り、口の中で殺菌されにくい

・良い成績を出すために強いストレスに晒される

・バスや飛行機での密閉環境での長時間にわたる移動


など、環境的にも感染症を引き起こしやすいのです。


免疫力を高める具体的な7つの対策

コロナウイルスに対して特効薬はなく、感染した時に頼れるのは自分の免疫力であることは、お伝えしました。

これからお伝えする対策は、必ずしも全てを実行する必要はありません。


もちろん、すべてを実践できるに越したことはありませんが、できないからとストレスを感じる必要はありません。


一つでも取り入れると、免疫力が高まっていきます。

自分達のできることを、できるところから取りいれていってください。


1.食べるものに気を付ける

1.食べるものに気を付ける

腸内環境を整え、しっかりと働かせるためには、食事の内容や摂り方が大切です。

食事内容については、食物繊維を意識して取りいれ、お肉や揚げ物の「摂りすぎ」を控えることが重要です。(5)


野菜や果物は善玉菌を増やし、お通じを改善してくれます。

お肉や脂ものの食べすぎは、悪玉菌の量を増やしてしまうためです。


特定の食品を健康番組で取り上げられることも多いですが、これだけを食べていれば安心、安全というわけではなく、バランスの良い食事が必要です。


2.食べ過ぎや飲みすぎを控える

2.食べ過ぎや飲みすぎを控える

また、食べ過ぎや飲み過ぎは内臓疲労を起こしてしまいます。

ほどほどの量や頻度を心がけてください。


また、胃腸に食べ物がないとき、腸の掃除や粘膜の修復が行われています。

間食の多い方は胃腸が休まらず、内臓疲労を引き起こします。


3.お水を飲む

3.お水を飲む

十分な水分補給は、体の機能を保つのに欠かせません。

お水をしっかり飲むことで、筋肉、神経、内臓の働きが活発になります。


また、口の中に潤いができることで、上気道感染(口や鼻からのウイルス感染)のリスクも低くなります。


4.睡眠の時間を確保する

3.お水を飲む

睡眠不足は免疫力アップの大敵です。

忙しいあまり、睡眠時間が減っていないでしょうか。


最低6時間、できれば6~8時間の睡眠を取るようにしましょう。

(子どもの場合8~10時間を文部科学省は推奨しています。)

ふつうの風邪であっても、睡眠時間が6時間を切ると感染率が4倍に高まることが分かっています。(6)(7)

3.お水を飲む

(風邪もコロナもウイルス性の上気道感染が主なため、同じ免疫システムが働きます。)


5.睡眠の質を高める

睡眠は質も大切です。

ぐっすり朝まで寝れていますか?


夜中に目が覚めてしまったり、浅くて寝た気がしない、というケースでは、質を高める必要があります。


質については2つのポイントがあります。


・寝る前の覚醒させる刺激を避けること

・寝る前に不安や心配事を考えないこと


の2つです。


まず1つ目の寝る前の刺激について。

カフェインやアルコールの摂取は、脳を覚醒させます。


アルコールの場合は眠りにつくのは早くなりますが、質がずっと浅くなってしまいます。


寝る前にゲームなどで興奮することや、スマホやPCによるブルーライトも、質を低下させてしまいます。


2つめの寝る前に考えていることについて。

不安や心配事を寝る前に考えて、気になってどんどん眠れなくなる方が多いです。


自律神経的にも、不安や心配は交感神経を優位にしてしまいます。

入眠を遅らせるだけでなく、寝てからの質も悪くしてしまいます。


不安や心配はあるでしょうが、自分の好きなこと、心の安らぐことを考えるように心がけると、自律神経が安定し、睡眠の質の向上に役立ちます。


お仕事で夜勤があるケース

お仕事によっては、夜勤で睡眠リズムが変わってしまう方もいます。

このような方は、体調を崩しやすい傾向にあります。


勤務体系については、自分でどうこうできない人が多いでしょうが、夜勤中(3~6時)に取る一時間の仮眠は、夜勤前の仮眠3時間分に匹敵する疲労回復効果があります。(

睡眠は時間だけではなく、体のリズムに合わせて夜に寝ることが質を上げるために不可欠です。


夜勤以外の日は、できるだけ規則正しい時間帯に寝れるようにしてください。


6.適度に体を動かす

3.お水を飲む

適度な運動は健康に良く、実際に免疫力を高めます。

特にコロナに関係すると考えられる「上気道感染症の減少」が確認されています。(9)


外出を推奨する訳ではありませんが、疲れすぎない程度に体を動かすことは、とても効果的な対策になります。


免疫力を高めるには、あまりにゆっくりとした散歩では効果が低いです。

早歩きとゆっくり歩きを交互にしたり、階段の昇り降りに加え、お風呂の掃除などのちょっと疲れる日常動作でも運動代わりになると言われています。


7.過度な心配、不安を避ける

3.お水を飲む

強いストレスは自律神経の乱れを引き起こします。

免疫を担う、マクロファージやNK細胞の働きが低下させてしまうことで、感染症リスクが高まります。(10)


今起こっている現実を見ることは大切ですが、恐怖に支配されてしまうことは、免疫力を下げかねません。

問題を乗り越えるための正しい知識を身につけて、必要以上の心配や不安は避けるようにしてください。


まとめ

今、日本だけでなく世界中がコロナウイルスの恐怖に晒されています。

精神的にも、身体的にも、経済的な社会にも非常に大きな問題です。


一人ひとりが免疫力を高めることが、コロナに感染しにくい、うつしにくい、万が一になったとしても重篤化させないことになります。

それが自分自身だけでなく家族を、社会を守ることに繋がるのではないでしょうか。


習慣を急に変えることは抵抗があるかもしれませんが、できることから対策を取りいれ、免疫力を高く保ってください。


また、もし良ければ、一人でも多くの方に知っていただきたいので、今役に立つと思った方は、TwitterやFacebook、Lineなどで大切な人に教えてあげてください。


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参考文献

1)新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)厚生労働省

2)Fergus Walsh,How exercise in old age prevents the immune system from declining,BBC

3)Major features of immunesenescence, including reduced thymic output, are ameliorated by high levels of physical activity in adulthood

4)Conversion of antigen-specific effector/memory T cells into Foxp3-expressing Treg cells by inhibition of CDK8/19

5)腸内細菌と健康|清水 純

6)Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold

7)Laurel M Wentz, PhD, RD, Mark D Ward, MSc, Claire Potter, MSc, Samuel J Oliver, PhD, Sarah Jackson, MD, Rachel M Izard, PhD, Julie P Greeves, PhD, Neil P Walsh, PhD, Increased Risk of Upper Respiratory Infection in Military Recruits Who Report Sleeping Less Than 6 h per night, Military Medicine, Volume 183, Issue 11-12, November-December 2018, Pages e699?e704,

8)夜勤のための上手な睡眠のとり方|日本看護協会

9)Matthews CE, Ockene IS, Freedson PS, Rosal MC, Merriam PA, Hebert JR. Moderate to vigorous physical activity and risk of upper-respiratory tract infection. Med Sci Sports Exerc. 2002 Aug;34(8):1242-8.

10)永田頌史, ストレスによる免疫能の変化と脳・免疫連関, Journal of UOEH, 1993, 15 巻, 2 号, p. 161-171


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