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ストレスを溜めこまないために
ストレスを感じやすいと悩んでいませんか?
・もっとストレスなく過ごせたらいいのに。
・ストレスを上手に発散できたらいいのに。
多くの方がストレスを溜めこんでしまい、体にも心にも悪い影響を受けています。
「ストレスを溜めている」と自覚のある方ばかりではありません。
知らず知らずにストレスを溜めている方もいます。
当院ではいろいろな症状の患者さんが来院されますが、慢性化されている方の多くは、強いストレスも抱えています。
そのために痛みや不調を治りづらくさせてしまっている方も少なくありません。
ストレスとの付き合い方も学ぶことは、不快な気持ちを避けるだけではありません。
体や心を快適に保ち、ストレスによって低下した、元々自分の持っている能力を発揮できるようになります。
また、痛みや不調を引き起こすリスクを減らします。
短期的にも、長期的にも、とても大切なことです。
ストレスって何?
ストレスと聞いて、なにをイメージするでしょうか?
多くの人がイメージするのが、人間関係を元にしたストレスだと思います。
実際にはストレスと言っても、主に4つの種類があり、いろいろな影響を受けています。
1.物理的ストレス
・暑すぎる
・うるさすぎる
・服の締めつけがきつすぎる
などの周りの自然環境によって引き起こされるストレスです。
一つひとつは大したことがないように感じても、騒音でノイローゼになったり、酷暑が続くと暴力事件が増えたりといった影響があります。(1)
2.科学的ストレス
あまり意識されることのない科学的ストレスですが、
・タバコ
・シックハウス
などによっても、ストレスを感じます。
大気汚染がひどくなると、統計的に優位にうつ病が発症しやすくなるなど、気付かないうちに大きな影響を受けています。
3.心理的ストレス
不安や怖れ、悲しみ、怒りなどの感情面でのストレスです。
家族や職場、学校などが発生原因になるため、原因を取り除きにくい問題があります。
また、金銭面や健康面での不安なども、ここに含まれます。
4.生理的ストレス
疲労や睡眠不足、体の痛み、不調によって引き起こされる、肉体的なものが原因になるストレスです。
ストレスの特徴
軽いストレスはやる気の原動力に、強いストレスは不調の元に
ストレスと言うと、悪い面ばかりが強調されています。
ですが、ストレスは程度によって、良くも悪くも作用します。
適度なストレスは、やる気に繋がります。
ですが、ストレスが強すぎると、心身の不調を招き、脳や体のパフォーマンスを低下させます。
試験でクリアできそうなときにはやる気がでやすく、頑張っても合格が難しい時にはお腹が痛くなったりするのは、このストレスの代表的な特徴です。
ストレスは良くも悪くも循環する
ストレスは人の体に様々な悪影響を与えます。
「急に忘れやすくなる」「集中力が低下する」「体が痛い、体調が優れない」など、パフォーマンスが低下することで、生活に問題を生じやすくなってしまいます。
その結果、新たなストレスを生みだし、悪循環が起きやすくなります。
ですが、どこかでその循環を断ち切ることができれば、一つの改善が他の要素の改善にも影響する可能性も高くなります。
そのため、ストレスについてはどれかまずは一つ、手を打つことが重要です。
ストレスによる悪影響
ストレスがなぜこれほど避けないといけないと言われているのでしょうか?
ストレス対策はそれほど必要なのでしょうか?
ストレスが及ぼす悪影響を知ると、その必要性が見えてきます。
ストレスによる悪影響は、全身に及びます。
それは人の体の機能を調整している「脳」と「自律神経」の働きに問題を起こしてしまうためです。
具体的には次のような影響が起きます。
脳の機能低下と萎縮
ストレスがかかっていると、脳が十分に働くことができません。
・集中力の低下
・意志力、決定力の低下
・記憶力の低下
など、脳の様々な機能が低下してしまいます。
いつもならしないようなミスを連発してしまったり、頭がぼうっとしてなかなか集中できない、といった事態を招いてしまいます。
また、強いストレスが長期的にかかると、脳が委縮してしまい、サイズ自体も小さくなってしまうことが分かっています。(4)
免疫力の低下
ストレスがかかった状態では、免疫を司っている「好中球」「NK細胞」と呼ばれる細胞の働きが落ちてしまいます。
そのため、かぜなどの感染症にかかりやすくなります。(5)
またがんの発生率も高くなります。
心血管系疾患
強い不安に襲われると、心臓がドクンドクンと強く脈打つように、ストレスは心臓や血管に影響を与えます。
これは本来、血流を良くして、すぐさま体が動けるようにするための反応ですが、長期化することで負担になります。
狭心症や不整脈といった心臓病を引き起こすほか、血管が強く収縮することで腎臓に負担をかけたりもします。
胃腸症状
ストレスが胃や腸に負担をかけることは良く知られています。
緊張で胃が痛くなる、お腹を下すというのは、聞いたことがあるかもしれません。
ストレスによって胃腸に出血や炎症、内臓を動かす筋肉に痙攣が起こり、胃潰瘍や逆流性食道炎、過敏性腸症候群などを引き起こします。(6)
内分泌系
生殖腺、甲状腺、膵臓などの様々な内分泌器官に影響を与えます。
・糖尿病
・不妊症
・甲状腺肥大症
などを代表的に、引き起こされる症状は非常に多岐に渡ります。(7)
ストレス対策の考え方とは?
具体的なストレス対策の前に、ストレスに対しての考え方をお伝えします。
受けないようにする
ストレスを感じるのは仕方がない、と思っていませんか?
もちろん避けようのないストレスも存在します。
ですが、ストレス源を取り除けるケースも少なくありません。
特に生活習慣によって、本人に自覚なくストレスを溜めこんでいるケースでは、生活を見直すと、大きな変化が起きることもあります。
ストレスを受ける頻度自体を減らすことは、十分に可能です。
受けにくくする
なにか嫌なことがあったとしても、その時の体やメンタルの状態によって、ストレスの感じる強さというのは変わってきます。
非常に良いことが続いていれば、ちょっとした嫌なことも受け流せるかもしれません。
体調を整えたり、気持ちを切り替える習慣を作ることで、ストレスに対して、影響を受けづらくすることができます。
上手に発散する
ストレスの発散方法にも、効果的な方法や、あまり効果のない方法があります。
ストレス発散法は世界でも共通しているらしく、
・甘いものをドカ食いし、後から自分を責める。
・浴びるほど飲んで二日酔いになる
・散財して、(どうしてこんな無駄遣いを……)と罪悪感を抱いてしまう。
・ギャンブルでその時は興奮するけど、後から後悔してしまう。
などが洋の東西を問わず見られます。
このような方法は、その時にはストレスが無くなったように感じても、実際には燻るように、ストレスが残り続けてしまいます。
5つの具体的なストレス対策とは?
これからお伝えする対策は、必ずしもすべてする必要はありません。
人によって、合う対策や合わない対策があります。
自分の好きなこと、楽しいと没頭できることを中心に、合いそうなものを取り入れていってください。
1.体調を整える
睡眠不足、姿勢の悪さ、水分摂取量の不足、食生活の乱れなども、ストレスを大きく増大させます。
・最低6時間、できれば6~8時間寝る
・綺麗な姿勢を心がける(8)
・1.5~2リットル(男性は2~2.5リットル)の水を飲む(9)
・野菜や果物といった食物繊維をしっかりとる(10)
・甘いお菓子、ジャンクフードの頻度を減らす
といった日常習慣の改善は、どれも実際に気分の向上、イライラの軽減といった、ストレスに対して効果があります。
いわゆる誰もが知っている健康的な生活は、本当に効果が確かなケースが多いです。
2.嫌な情報、煽(あお)る情報と接しすぎない
怒っている人と接するだけではなく、見るだけでもメンタルに悪影響があります。
フェイクニュース、煽り記事など、視聴数を稼ぐために過激なタイトルがついているものに対しては、できるだけ目を向けないように距離を取ると、ストレスを減らすことができます。
3.SNSを長時間使い過ぎない
FacebookやInstagramなどのSNSを長時間使っていると、うつ病の発症リスクが1.7倍にも高くなってしまいます。(11)
使うことが悪いわけではありません。
SNSと上手に付き合って、人との交流や仕事や趣味に繋げている方もいます。
特に影響を受けやすい使い方は、誰かが不満や怒りを爆発させているツイートを数多く見たり、誰かが自分よりも成功している姿を見る際に(自分と比較してしまって)、ストレスを感じやすくなります。
長時間使うほどにリスクが高くなることが分かっていますので、熱中しすぎないよう、適度な距離を置いて使うようにしてください。
4.運動する
軽い運動はストレスを軽減してくれます。
運動が苦手という方でも、激しい運動が必要なわけではなく、散歩程度の強さでも、確実にストレスを発散させてくれます。(12)
特に公園などの植物の多い所を歩くと、リラックス効果が高いことも分かっています。
5.文化的な活動全般
・読書
・音楽を聴く
・映画を観る
・博物館や美術館などの鑑賞
等々の想像力を働かせるような活動は、全般的にストレスの解消に効果的で、たとえば読書だとストレス度を65%程度も軽減させてくれることが分かっています。(13)
まとめ
ストレスのまったくない人生を送れる人はいないかもしれません。
だからこそ、ストレスと上手に付き合う必要があります。
小さなことの積み重ねが、人生で受けるストレスを大きく減らしてくれます。
自分の心と体を良い状態に保ち、毎日を気分よく、快適に過ごせるようになってください。
参考文献
5)永田頌史, ストレスによる免疫能の変化と脳・免疫連関, Journal of UOEH, 1993, 15 巻, 2 号, p. 161-171
10)腸内細菌学雑誌,入江 潤一郎,伊藤 裕,睡眠と腸内細菌叢
12)Exercise and the Prevention of Depression: Results of the HUNT Cohort Study
13)Lewis, D. (2009), Galaxy Stress Research. Mindlab International, Sussex University, UK.
創輝(そうき)鍼灸整骨院
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