クライミングでTFCC損傷になってしまう原因とは?
あなたは、このようなお悩みありませんか?
- 手首が痛くてクライミング(ボルダリング)ができない
- サポーターやテーピングをしているけど、どんどん痛くなってきている
- 手術を薦められているが、本当に治るのか不安
TFCC損傷は正式には『三角線維軟骨複合体損傷』といい、手首の小指側や小指に、強い痛みやしびれを感じる症状です。
手をついて倒れたり、強く捻ったなど外傷的に受傷するケースと、手首を繰り返し使うスポーツ障害として発症するケースがあります。
クライミングやボルダリングは、特にTFCC損傷を発症しやすい競技のひとつです。
手で体重を支える競技の特性のため、手や指に大きな負担がかかります。
TFCC損傷の症状は、多くの場合、手首の違和感や軽い痛みから始まります。
使っているうちに状態が悪化していき、痛みのために競技を続けることが辛くなったり、日常生活でも手首の痛みに悩まされてしまいます。
安静にしていてもジンジンとした痛みが続いたり、指先のしびれや感覚がおかしくなる知覚異常を起こしたり、握力の低下が出るケースもよくみられます。
一般的には一度なってしまうと治りにくいとされている症状です。
テーピングで固定したり、サポーターをしたりと自分で対策を行う方も少なくありませんが、多くの場合は改善がみられず悪化していきます。
なぜクライミングをしているとTFCC損傷になりやすいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
クライミングをしているとTFCC損傷になりやすい原因
1.繰り返しかかる手や腕への負担(オーバーユース)
TFCC損傷の多くは、手や腕の使い過ぎ(オーバーユース)によって引き起こされます。
特に手首を捻る動作や、手首に衝撃を加わる競技には共通してみられやすい特徴があります。
クライミングをしている方は、指先で自分の体重を支えるため、指や手首に繰り返し、非常に大きな負担や衝撃がかかります。
指の筋肉や前腕の筋肉が、使い過ぎによって過緊張を起こし、柔軟性がなくなることでTFCC損傷を引き起こす原因になります。
もともと人の足は手の三倍もの力があると言われています。
体重を支えようと思えば、それぐらいの力が必要になってきます。
いくらクライミングやボルダリングが、足の力をできるだけ使うように意識していても、過大な負荷がかかってしまうわけです。
熟練者ほど握りも厳しくなり、斜度も高まるため、より発症しやすい状況です。
TFCC損傷の方は、この原因に加えて、次の問題を抱えています。
2.手首の関節のバランスの崩れ
同じ動作を繰り返したり、手首に負担や衝撃が加わり続けると、手首周りの関節のバランスが崩れます。
クライミングは指先の使い過ぎによっても、手首の関節のバランスが崩れやすい競技です。
ピンチ、一本フックなど、特殊な握り方が多くなれば、手に複雑な負担がかかるためです。
手首はとても複雑な関節で、腕(前腕)にある2本の骨と、手首にある手根骨という8つの細かい骨のバランスが、動きに大きく関わっています。
関節のバランスがきれいに整っていることで、指先や手首の動きなどが滑らかに行えます。
ところが、TFCC損傷の方は、この関節のバランスが崩れてしまっています。
これらはレントゲンなどでは判断しづらい位置異常の問題ですが、実際には手首や指の動きに大きな影響を与えています。
また、TFCC損傷の方によくみられる症状に、『手・指のしびれ』や『握力の低下』があります。
これは手首の関節のバランスが崩れ、神経の通り道を圧迫してしまうことで起こります。
手首の関節のバランスは、自分でもチェックすることができます。
一度、ご自身でチェックしてみてください。
痛い側と痛くない側の、手首のシワの角度を比べます。
1.痛くない側は、ほとんどまっすぐにシワが走っていると思います。
2.痛い側は、親指側が下がって、斜めにシワが走っていることでしょう。
この『2』の状態が、腕(前腕)にある2本の骨や、手首にある手根骨という骨の位置関係の崩れを表しています。
これが小指側に負担をかけ、TFCC損傷を引き起こす根本的な原因です。
関節のバランスが崩れた状態のままだと、手首に負担がかかり続けるためなかなか良くなりません。
また手術をしても、痛みを再発させてしまう原因にもなりかねません。
TFCC損傷をひどくさせないための対策とは?
1.痛いのに無理をして使わない
手首に違和感や痛みがある状態で、無理をして使っていると、関節のバランスの崩れがより大きくなってしまいます。
サポーターやテーピングを使って、痛みをガマンしながら競技を続ける方もいます。
ですが、関節のバランスはひとりでには整いません。
そのため、痛みをガマンして無理に使った結果、関節のバランスがより大きく崩れてしまい、治りにくくなってしまったり、再発を繰り返してしまう原因になってしまいます。
痛みをガマンして無理に使うのは避けてください。
2.わざわざ痛みの出る動作を確認しない
痛い方によくみられる動作に、わざと痛みの出る動作をして、状態の確認ばかりしてしまうというものがあります。
この動作は、痛みのある関節部分に繰り返し負担をかけることになってしまいます。
この動作は症状を悪化させ、回復を妨げる大きな原因の一つです。
痛みがあると気になってしまうものですが、痛みの確認はできるかぎり避けてください。
3.逆の手も良く使う
TFCC損傷は、繰り返し動作によって引き起こされるため、負担のかかりやすい側に発症しやすい症状です。
関節のバランスが崩れていると、日常動作でも本人が思っている以上に手首には負担がかかります。
普段の動作でも、逆の手で代わりにできることは、逆の手を使うようにしてください。
日常生活の動作は、一つ一つの負担は少なくとも、積み重なると大きな負担になってしまいます。
日常のちょっとした動作を逆の手で使う、これだけでも負担を大きく減らすことができます。
TFCC損傷に悩まされず、クライミングを楽しめるように
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、クライミングだけではなく生活や仕事に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、一般的な治療では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
クライミングは体にかかる負担の大きなスポーツです。
競技を痛みや不調に悩まされずに続けるためには、自分の痛みを引き起こす根本原因を知ることと、適切なケア方法を知ることが大切です。
ただ、これらの根本原因や正しいケア方法は、一人一人によって異なってきます。
その方に合った適切なケア方法をお伝えするには、その方の状態を問診や検査などによって、把握する必要があります。
TFCC損傷は、症状のきつい方や無理をして使ってきた方は、放っておいて良くなることはありません。
また、安静にしていて痛みが取れても、ひとりでに関節のバランスが整うことはないため、根本的な原因が解決しているわけではありません。
競技を続けたり、手に負担をかける仕事を続けるならば、再発する可能性が高いため、治療が必要です。
一般的には、TFCC損傷は治りにくく、手術をしてもその後再発する可能性が高い症状だとされています。
ですが、引き起こしている根本原因をしっかりと改善していけば、TFCC損傷は決して良くならない症状ではありません。
手首の痛みに悩まされず、安心してクライミングをできるようになってください。
→つらいTFCC損傷の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院のTFCC損傷の施術をご覧ください
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