ゴルフでTFCC損傷になってしまう原因と、その対策とは?
あなたは、このようなお悩みありませんか?
- 手首が痛くてゴルフができない
- 安静にしているけど良くなっている気がしない
- サポーターやテーピングをしてても、どんどん痛くなってきている
- 手術を薦められているが、本当に治るのか不安
ゴルフによるスポーツ障害は少なくありません。
そのなかでも手首の痛みは全体でもっとも比率が高く、35%前後にも上ります。
TFCC損傷は、プロゴルファーにも見られる治りづらく、再発しやすい症状です。
過去には女子ゴルファーの有村智恵選手(1)古閑美保選手がTFCC損傷が原因で欠場や引退しています。(2)
ゴルフでTFCC損傷になる方は、熱心に取り組んでいる方ばかりです。
だからこそ、手首が痛く思うようにクラブを振れないことに、ストレスを溜めこんでしまいます。
当院では難治性のTFCC損傷の方が来院されることが多いです。
病院や整骨院に通っても良くならず、皆さんとても深刻に悩まされています。
自分でいろいろと調べても良くならないからこそ、不安になるのだと思います。
・どのような原因があるのか?
・今もゴルフは続けていて良いのか?
・何に気をつけたらいいのか?
・本当に治るのか?ゴルフは続けられるのか?
などよくある疑問について、分かりやすくお伝えします。
TFCC損傷とはどんな症状なのか?
TFCC損傷のTFCCとは、日本語では「三角線維軟骨複合体」と言います。
手首の小指側に、靭帯と軟骨という軟らかい組織が組み合わさり、三角形の形をしています。
TFCCはクッションの役割をしていて、手首にかかる負担の約20%を吸収します。
『Biomechanics of the distal radioulnar joint(遠位橈尺関節の生体力学)A K Palmer, F W Werner 1984』
そして、この部分に何らかの負担がかかって傷ついたり、炎症が起きた状態を、TFCC損傷と言います。
症状や一般的な経過について
TFCC損傷は繰り返しの負荷(スイングの繰り返し)や、強い衝撃がかかった時(ダフや芯を外した打球など)に発症します。
軽症時では多くの場合、手首の違和感や軽い痛みから始まります。
TFCCの靭帯や軟骨はレントゲンで写りづらいため、レントゲン撮影だけでは捻挫との区別は手の専門医でもとても難しいようです。
確定するにはMRIや関節造影剤の注射といった検査が必要になります。
このような事情もあり「手首の捻挫と診断されたけどなかなか治らず、色々回ったあと専門医でTFCC損傷と診断された」というケースがよく見られます。
捻挫ならそのうち治るだろう、と使っていると、徐々に状態が悪化していきます。
重症になるにつれて物を握る、手首を回す、捻るといった動作がツラくなります。
安静にしていてもジンジンとした痛みが続いたり、しびれや指先の感覚がおかしくなる知覚異常、握力の低下などが出るケースもよくみられます。
テーピングで固定したり、サポーターをしたりと自分で対策を行う方も少なくありませんが、多くの場合は改善がみられず悪化してしまいます。
なぜゴルフをしているとTFCC損傷になりやすいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
ゴルフをしているとTFCC損傷になりやすい原因
1.繰り返し手首に負担がかかる負担(オーバーユース)
TFCC損傷の多くは、手首の使い過ぎによって引き起こされます。
度重なる衝撃が手首に加わることで、靭帯などの組織が傷ついてしまうためです。
特に
- ・ゴルフに熱心で、普段から練習することが多い
- ・毎週のようにコースに出ている
- ・日常生活でも手首に負担のかかる動作をしている
といった方は、発症しやすいです。
TFCCという組織は血流があまり良くなく、回復するのに時間がかかりやすいという特徴があります。
体の中でも特に休ませてあげる必要のある場所ということです。
使うのと回復の釣り合いが不均衡になりやすく、オーバーユースになってしまいがちです。
また、一度痛みが出てしまうと、安静にしていてもなかなか回復しないのも、この血流の問題が大きく関わっています。
『The microvasculature of the triangular fibrocartilage complex: its clinical significance』M S Bednar 1991
2.ゴルフスイングの特性による負担
手首を捻った状態で衝撃を加わる動作は、TFCC損傷を引き起こしやすいです。
そのためゴルフに限らず、テニスや野球、剣道といった競技でも見られます。
これは体の構造上の問題です。
手首を捻る動作をするときに、前腕の二本の骨はねじれます。
この時に小指側の骨(尺骨)がわずかに浮き、安定性がなくなってしまいます。
ゴルフスイングのインパクト時は、まさにこの不安定な状態のときに衝撃が加わってしまうため、損傷が起きやすくなります。
『The prevalence, variety and impact of wrist problems in elite professional golfers on the European Tour(ヨーロピアンツアーのプロゴルファーにおける手首の問題の有病率、多様性、影響について)』
特にフォームに何らかの問題を抱えていると、手首への負担がとても大きくなり、症状を引き起こす原因になります。
3.手首や前腕の関節のバランスの崩れ
慢性・難治性・再発しやすいTFCC損傷に多く見られる特徴です。
手首はとても複雑な関節で、腕(前腕)にある2本の骨と、手首にある手根骨という8つの細かい骨のバランスが、動きに大きく関わっています。
関節のバランスがきれいに整っていることで、様々な動きを滑らかに行えます。
ところが、TFCC損傷の方の多くは、この関節のバランスが崩れてしまっています。
そのため、関節の動きに滑らかさが失われてしまいます。
日常生活のちょっとした動作でも負担がかかりやすくなり、慢性化や難治化の大きな原因になります。
これらのバランスの崩れはレントゲンなどでは判断しづらい問題ですが、実際には手首や指の動きに大きな影響を与えています。
また、『手・指のしびれ』や『握力の低下』の症状は、関節のバランスが崩れ、神経の通り道を圧迫してしまうことで起こります。
手首のバランスのチェック方法
手首の関節のバランスは、自分でもチェックができます。
一度、ご自身でチェックしてみてください。
方法はとてもカンタンです。
痛い側と痛くない側の、手首のシワの角度を比べます。
1.痛くない側は、ほぼまっすぐにシワが走っていると思います。
2.痛い側は、親指側が下がって、斜めにシワが走っていることでしょう。
この『2』の状態が、腕(前腕)にある2本の骨や、手首にある手根骨という骨の位置関係の崩れを表しています。
これが小指側に負担をかけ、TFCC損傷を引き起こす根本的な原因です。
どれだけ固定していても治らない。
マッサージやストレッチをやってても改善しない。
このようなお悩みを抱えている方は、関節のバランスを整える必要性が高いです。
TFCC損傷をひどくさせないための3つの対策とは?
1.痛いのに無理をして使わない
サポーターやテーピングを使って、痛みをガマンしながらゴルフを続ける方もいます。
人によってはお付き合いや大切なコンペを控えているなど、理由はあるかもしれません。
ですが、それでも痛みが出たら素早く休むことが大切です。
手首に違和感や痛みがある状態で、無理をして使っていると、関節のバランスの崩れがより大きくなってしまいます。
関節のバランスはひとりでには整いません。
そのため、無理を続けた結果、治りにくくなってしまったり、再発を繰り返してしまう原因になってしまいます。
また、痛みを避けてスイングする習慣がつくことで、フォームが崩れてしまう原因にもなります。
なにより手首を気にしてだましだましプレイしていると、ゴルフが楽しくないと悩む方がとても多いです。
一日も早く良くして、良い状態でゴルフを楽しむ。
そのためには、痛みが出たら早めに使わないようにすることが大切です。
2.わざわざ痛みの出る動作を確認しない
よくみられる動作に、わざと痛みの出る動作をして、状態の確認を繰り返すというものがあります。
自分の状態を確かめたいかもしれませんが、この動作は、傷ついた関節部分をグリグリと負担をかけているのと同じです。
負担をかけることで状態を悪化させ、回復を妨げる大きな原因の一つです。
痛みがあると気になってしまうものですが、痛みの確認はできるかぎり避けてください。
3.痛くない手を積極的に使う
TFCC損傷は痛い時にはムリに使わないことが一番の対策です。
関節のバランスが崩れていると、日常動作でも本人が思っている以上に手首には負担がかかります。
普段の動作でも、逆の手で代わりにできることは、逆の手を使うようにしてください。
日常生活の動作は、一つ一つの負担は少なくとも、積み重なると大きな負担になってしまいます。
日常のちょっとした動作を逆の手で使う、これだけでも負担を大きく減らすことができます。
TFCC損傷に悩まされず、ゴルフを楽しめるように
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができますし、深刻な方にも有効な対策です。
ただし、
- ・症状がきつく、ゴルフだけではなく生活や仕事に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、一般的な治療では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は骨格のバランスを整える、根本的な原因を解消することを推奨します。
TFCC損傷は、症状のきつい方や無理をして使ってきた方は、放っておいて良くなることはありません。
長い方だと十年以上痛み続けているという方もいます。
TFCC損傷は、引き起こしている根本原因をしっかりと改善していけば、決して良くならない症状ではありません。
手首の痛みが良くなられたゴルファーの方々は、なによりも痛みがないことで、ゴルフがとても楽しいと喜ばれます。
手首の痛みに悩まされず、安心してゴルフをできるようになってください。
→もし治療を受けたいとお考えの方は、当院のTFCC損傷の施術内容をご覧ください
参考文献一覧
1)「何で…」有村、怪我で休養中の苦悩明かす:ALBA.Netのゴルフニュース
2)「一皮むけた」有村智恵、怪我と戦いながらシーズン初戦へ:ALBA.Netのゴルフニュース
3)Biomechanics of the distal radioulnar joint, A K Palmer, F W Werner 1984
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東大阪市在住 T.Iさん
*個人の感想で、成果を保証するものではありません。
創輝(そうき)鍼灸整骨院
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