なぜ産後、腰痛がひどくなりやすいのか？

なぜ産後、腰痛がひどくなりやすいのか？

産後の女性は、ホルモンバランスの変化が起きたり、赤ちゃんの育児で寝不足になったりと、体力的にも気持ち的にも負担がかかる時期です。

そのため、これまで腰痛になったことがない方が、出産後に初めて腰痛を経験し、そのまま良くならないというようなケースや、これまでもともと腰痛に悩まされていたけれど、出産後に更にひどくなったというケースも珍しくありません。

『妊婦および褥婦における腰痛の実態調査』では、出産後に腰痛を訴える方は、およそ３８．５％にも上ることが分かっています。

なぜ産後に腰痛がひどくなるのでしょうか？

また、どのような対策を取れば良いのでしょうか？

産後、腰痛になってしまう原因

１．骨盤のゆるみ、ゆがみがあるため

女性の体は妊娠を機に、出産に備えて体の変化が起こります。

リラキシンという女性ホルモンが分泌され、骨盤や恥骨、仙腸関節といった関節がゆるみ、骨盤が開いて、お腹の赤ちゃんが成長できるように体を変化させていきます。

これに伴って胎児は成長しやすくなるのですが、その分、関節はゆるみ、ゆがみやすくなります。

また、出産時には産道を赤ちゃんが通るため、より骨盤や恥骨、仙腸関節などにゆるみやゆがみが出てしまいます。

骨盤にゆるみやゆがみがあると、安定性が悪く、上半身を支える負担が大きくかかり、腰痛を引き起こしやすくなります。

２．産後（特に産褥期）に安静にできない

女性の体は、妊娠から出産まで約１０か月をかけて血液成分やホルモンバランス、子宮の状態を準備し、体を変えていきます。

そして、一度変わった体質は、出産を終えたからといって、すぐに元の状態に戻るわけではありません。

現代医学が発達していなかった時代でも、『床上げ』といって、産後は安静にすることの必要性が知られていました。

血液成分やホルモンバランス、子宮の状態などを元に戻し、日常生活へと慣らしていくために、およそ６週間から８週間の安静が必要とされています。

この期間を産褥期といいます。

産褥期に安静にすることで、妊娠中や出産時に起きた骨盤のゆるみやゆがみも、多くの場合自然と良い状態へと戻っていきます。

ところが、すべての女性が産後ゆっくりとできるわけではありません。

家事や育児、仕事など様々な事情もあり、産後すぐに動かないといけない方もいます。

そのような方の場合は、骨盤のゆるみやゆがみが戻らない状態のまま癖づいてしまい、腰痛を引き起こしてしまう原因となります。

３．育児による腰への負担

産後は赤ちゃんの育児で、お母さんの体に負担がかかりやすい時期です。

授乳やおむつ替え、沐浴といった前屈みの姿勢は腰に負担をかけます。

授乳では、栄養素を赤ちゃんにあげるため、お母さんの体の栄養が不足しがちになります。

また、睡眠不足や育児疲れによるストレスも、腰痛の悪化の原因になります。

産後に腰痛が出やすい原因は、これらの一つ、あるいは複数によって引き起こされます。

では、これらの原因によって引き起こされた腰痛は、どのように対処すれば良いのでしょうか？

産後の腰痛への対処法

１．悪化要因を減らす

一度ゆるみやゆがみが癖づいてしまった骨盤は、自力で整えることは困難です。

そのため、まずできることは、今以上に悪化させないように、悪くする原因を取り除いていくことです。

骨格のバランスを崩さないためのポイントは、

などといったものがあります。

また、特に負担の大きい産褥期だけでも、負担を減らすためにも家族などのサポートを受けることは、可能ならば積極的に受けるべきです。

それが、その後のご自身の状態に大きく左右するからです。

２．根本的な原因を解消してくれる治療を受ける

骨盤や骨格を整えて腰に負担をかけない姿勢を作るには、治療を受けるのが一番効果的です。

その上で、上記の悪化させる要因を減らすことを意識したり、その方の日常生活に合わせた指導を受けることによって、骨格のバランスを良い状態で保つことができます。

＊産後２週間は特に骨盤がゆるんでいるため、安静を第一にし、治療を受けるのはその後をおすすめします。

産後の腰痛に悩まされないために

腰痛といってもその程度は人により様々ですが、骨盤にゆるみやゆがみを抱えたまま生活することは、腰に大きな負担をかけてしまいます。

また、安静にしていて症状が落ち着いたとしても、今後悪化してぎっくり腰や、ヘルニアといった重い症状を引き起こす可能性も高くなってしまいます。

育児は、体に大きな負担をかけます。

だからこそ、まずは上で紹介したような習慣に気を付け、体への負担を減らしてください。

それでも症状が改善しない場合は、腰痛を根本原因から良くするための治療を受ける必要があります。

そして一日も早く、腰痛に悩まされず、痛みストレスなく子育てができるようになってください。

→つらい腰痛の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の腰痛の施術をご覧ください

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