なぜ足首の捻挫の後遺症で、膝の痛みまで起きてしまうのか?

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なぜ足首の捻挫の後遺症で、膝の痛みまで起きてしまうのか?

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膝の痛みは、一般的に関節内の軟骨や半月板に負担がかかり、炎症が起きることで発症します。

平成26年の厚生労働省の患者調査によると、膝の痛みを抱えている方は全国で1000万人以上にも上ると言われています。


また、女性に多い傾向があり、男女比では男性の1.6倍もみられます。

日常での負担のかけ過ぎや転倒といった突発的な負傷、スポーツでのケガなど、膝の痛みを引き起こす原因は様々ですが、症状を抱えたまま放っておくと、年齢とともに症状が悪化してしまいます。


ひどいケースになると、変形性膝関節症を引き起こしたりと、日常生活に大きな支障が出ることもある症状です。

そのため、膝の痛みを抱えている方は、一日も早く、痛みを引き起こしている根本的な原因を解決することが必要です。

膝の痛みに手で押さえている

膝の痛みは、悩んでいる方が多い一方、良くなる方が少ない症状です。

その原因の一つには、膝の痛みを引き起こす原因が数多くあり、また膝以外の場所が原因で引き起こされるケースが多いためです。


膝の痛みを訴える方にみられるケースの一つに、過去に足首の捻挫の経験があったり、気付かないうちに足首の関節のバランスを崩してしまっているという特徴があります。

では、足首の捻挫の後遺症と膝の痛みには、どのような関係があるのでしょうか?


また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?


なぜ足首の捻挫の後遺症は、膝の痛みを引き起こすのか?

1.膝の関節のバランスの崩れ

膝の関節は太ももの骨とお皿、下腿の二本の骨で構成されています。

これらの骨がバランスよく整っていることで滑らかに動くことができます。


ところが、過去に足首の捻挫の経験があると、足首の関節のバランスが崩れたままの状態になってしまう方が多くいます。

特徴的な捻挫の後遺症は、足首の外くるぶしの位置が、内側よりも下がります。

二人の足首のバランスの比較画像

足首の関節は、下腿の骨の土台になる部分です。

そのため、足首の関節のバランスが崩れていると、下腿の骨のバランスも崩れてしまいます。


下腿の骨のバランスが崩れることで、膝の関節の動きにまで負担がかかり、痛みを引き起こす原因となります。


2.重心の偏り

足首の関節のバランスが崩れていると、崩れた土台の上に全身の荷重がかかるため、重心が変化します。

多くの場合、腓骨という下腿の外側の骨の位置が下がるため、重心は捻挫の後遺症がある側に偏ってしまいます。

崩れた重心を支えるため、膝の関節や太ももの筋肉に負担がかかり、痛みを引き起こす原因になります。


3.足首だけでなく、恥骨のバランスの崩れ

骨盤のレントゲン画像

足首の捻挫によってバランスが崩れるのは、足首だけにとどまらず、骨盤の前側の恥骨という骨のバランスにまで及びます。

恥骨のバランスが崩れることで、股関節に悪影響を及ぼしたり、重心の偏りを招いてしまうため、膝にも大きな負担がかかるようになってしまいます。


以上の3つの原因のように、足首の関節のバランスが、捻挫によって崩れたままになっていると、膝の痛みを引き起こす大きな原因の一つとなってしまいます。


では、これらの原因に対して、どのような対策を取れば良いのでしょうか?


足首の捻挫の後遺症による膝の痛みへの対策とは?

1.足への負担の少ない靴を優先する

靴箱に並ぶたくさんの靴

一度崩れてしまった足首の関節や膝、股関節といった骨格のバランスを、自分で治すことはとても難しいことです。

ですが、今以上にバランスを崩さないよう気を付けることは十分に可能です。


仕事でスニーカーなどの機能を優先した靴が履けないといった事情もあるでしょうが、できるだけ、足首に負担をかけない靴を履くようにしてください。

ヒールの高い靴などは、負担が大きいため、できるだけ避けましょう。


2.膝のバランスを崩す動作を避ける

膝を着いて掃除をする女性

足首の捻挫の後遺症によって、膝の関節が崩れやすくなっています。

そのため、足首への対策はもちろんですが、膝の関節のバランスを崩さないよう日常動作を注意することも重要です。


膝の関節のバランスを崩しやすい動作には次のものがあります。


  • ・膝を着いた状態での動作
  • ・膝を深く曲げた状態での動作

これらを長時間、もしくは頻回にしていると、膝の関節のバランスを崩しやすくなってしまいます。

そのため、床の拭き掃除であればフローリングモップなどの掃除道具を使ったりして、膝のバランスを崩す動作を可能な限り避けてください。


まずは紹介したこれらの2点の対策を取りいれてください。

それでも改善がみられない場合は、足首の関節や、膝や恥骨といった骨格のバランスを整えたり、体重のかかり方を安定させるなど、膝の痛みに対する根本的な治療を受ける必要があります。


足首の捻挫の後遺症からくる膝の痛みを良くし、不安なく過ごせるように

膝の痛みがひどくなると、スポーツなどの負荷の大きな動きはもちろんですが、階段の昇り降りなど日常生活の様々な動きに支障をきたしてしまいます。

多くの方が、膝の痛みの原因は、膝だけにあると考えてしまいます。


そのため、膝の痛みが再発し何度も繰り返していると、治らないのではないかと不安になってしまいがちです。

ですが、膝の痛みは引き起こしている根本原因をしっかりと改善していけば、決して良くならない症状ではありません。


適切な治療を施せば、改善されるケースは多くあります。

一日も早く、膝の痛みを気にせずに過ごせるようになってください。


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