産後の過敏性腸症候群の方の原因と、その対策とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 産後、過敏性腸症候群に悩まされている
- 授乳中で薬が飲めない
- お腹が痛い時に子どもが泣き出して、すごく焦ってしまう
- 体調が悪いせいで、思ったように子育てが上手くいかず、子どもの将来が心配
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群は、ストレスのかかりやすい時期に発症しやすいと言われていて、産後は過敏性腸症候群に悩まされる方が増えます。
産後は、お母さんにとって非常に負担のかかる大変な時期です。
授乳で睡眠不足になったり、慣れない育児に神経を使って疲れが溜まったりしてしまいます。
また、赤ちゃんの体調が優れなかったりすると、心配で強いストレスを感じてしまうこともあります。
ご家族や両親が育児を手伝ってくれる家庭では、負担を減らせるかもしれませんが、すべての家庭がそのような環境ではありません。
体力的にも精神的にも余裕がないときに、過敏性腸症候群による腹痛や下痢、便秘といった症状に悩まされてしまうと、とてもつらく、大変です。
なかには、子どもが泣いているのに、トイレに駆け込んでいて動けない、という方もいます。
また、産後の時期特有で、多くの方に見られるお悩みが、授乳のために薬が飲めないというものです。
病院に行っても整腸剤ぐらいしか処方されず、どのような対策を取れば良いのか、悩んでいる方は少なくありません。
産後の時期に過敏性腸症候群になってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
産後、過敏性腸症候群に悩まされる4つの原因
産後に過敏性腸症候群に悩まされる原因には、次の4つがあります。
1.食事による影響
赤ちゃんに時間も体力も使うため、自分の食事は二の次になってしまい、どうしても手軽なもので済ませてしまう、という方は少なくありません。
過敏性腸症候群は、食生活の影響を大きく受けています。
この数年の研究では、過敏性腸症候群を引き起こす大きな要因の一つとして、腸内細菌叢の割合が関係していることが分かっています。(『腸内細菌と過敏性腸症候群』 著:福土 審 2015)
野菜や果物などの比率が減って、手軽なバランスの悪い食事が多くなると、腸内細菌に悪玉菌が増え、過敏性腸症候群を引き起こします。
整腸剤を飲めば大丈夫かというと、そうでもありません。
人の腸には、それぞれ相性の良い菌もあれば、そうでない菌もあります。
そのため、自分の腸に住んでいる善玉菌を、自然な形で増やしてあげることが大切です。
2.睡眠不足による影響
夜泣きなどで睡眠不足になると、体には多くのマイナスの影響を受けます。
その中でも、特に過敏性腸症候群に大きな影響を与えるものが2つあります。
1つ目は、脳の扁桃体と呼ばれる所が過敏になってしまい、不安や恐怖といったストレスを感じやすくなってしまうものです。
2つ目は、睡眠をしっかり取っている方に比べ、免疫力が50%近くも落ちてしまうことです。
どちらも過敏性腸症候群を引き起こす大きな要因になってしまいます。
3.ホルモンバランスの変化
人の体は妊娠すると10か月かけて、出産に備えます。
その間、ホルモンバランスや血液の成分が大きく変化しています。
出産を終えると、体は妊娠前の状態に戻ろうとします。
その期間はおよそ6~8週間で、これを産褥期といいます。
産褥期には大きくホルモンバランスや血液成分などが変わるため、体に負担がかかり、不調が出やすくなっています。
4.産後のストレスによる影響
過敏性腸症候群の主な原因はストレスだと言われています。
産後は育児という初めての経験が沢山出てきます。
また、上に兄弟がいる方では、より忙しくなってしまいます。
生活環境も大きく変わるため、肉体的にも精神的にもストレスがかかりやすい時期です。
ストレスを受けると、人の体は自律神経が乱れてしまいます。
自律神経が乱れると、内臓の働きも低下し、腸内環境が悪化することで過敏性腸症候群を引き起こす原因となります。
では、これらの原因に対して、どのような対策が取れるでしょうか?
産後の過敏性腸症候群への3つの対策とは?
過敏性腸症候群の対策というと、多くの場合ストレスの解消が挙げられます。
ですが、ストレスは減らすことが重要だと分かっていても、コントロールするのはすごく難しいことです。
特に産後の育児によってストレスが溜まりやすい時期は、コントロールしようと思っても、容易にできるものではありません。
また、過敏性腸症候群のその他の原因である自律神経の問題や、骨格や姿勢の問題も、自分で解決するのは簡単なことではありません。
そのため、ご自身で取り入れやすい対策としては、食事内容に気を付けることと、睡眠の工夫があります。
食事に関しての対策は2つありますが、過敏性腸症候群でお悩みの患者さんが来院された時に、当院がお伝えしている内容の一部で、非常に重要なポイントです。
1.野菜や果物を積極的に食べ、お肉や脂ものの比率を減らす
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃腸への負担が大きくかかります。
また、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまいます。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃腸に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃腸に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの食べる頻度を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.まとまった睡眠を確保できない場合は、睡眠の質を高める
睡眠というと、多くの方は6時間ぐらいずっとぐっすりと眠れていないといけないように思います。
ですが、睡眠の質を一番左右するのは、入眠から3時間程の熟睡度合にかかっています。
そのため、
- ・寝る前にスマートフォンやPCなどの光の刺激を避ける(脳が興奮するため)
- ・入浴やシャワー、軽い運動で体温を上げる(寝る1時間前が最適)
- ・カフェインの摂取は睡眠の5時間前には止める(人によって分解に個人差がある)
- ・朝目覚めた時は、日光を浴びて体内時計をリセットする
などの工夫を行って、眠れる時間の睡眠の質を、出来るかぎり高めてください。
また夜泣きなどでまとまった時間を寝れない時は、目をつぶってください。
それだけでも、脳に入る刺激の6割以上がシャットアウトされるため、リラックスすることができます。
まずはこれら3つの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただ、過敏性腸症候群の方の多くは程度がきつく、自力だけでの対策では、なかなか改善されない傾向があります。
もし、これらの対策を行っても効果がみられない場合は、骨格や姿勢の調整、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
産後、過敏性腸症候群に悩まされないために
一般的に過敏性腸症候群は良くなりにくい症状だと言われています。
育児中はとても大変な時期です。
でも、お母さんが体調が悪いと、育児にも影響が出てしまいます。
忙しかったり、余裕が無かったりするかもしれませんが、ご自分を第一に考えてください。
過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方や睡眠の取り方といった、ご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
ご自分の状態を良くして、体も心も余裕を持った状態でお子さんと接してあげれるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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