過敏性腸症候群になると、栄養は吸収されにくいのか?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 過敏性腸症候群になって、下痢が続く
- 下痢ばかりなので、栄養が吸収されているか心配
- サプリメントや整腸剤を飲んでいるけど良くならない
- 痩せてきて太れない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
特に過敏性腸症候群の下痢型の人は、毎日のように習慣的にお腹を下してしまいます。
下痢が続くと体がだるく、体調がすぐれません。
特に症状の深刻な方は、食事のたびにお腹が痛くなってしまうため、食事をとっても、すぐにお腹を下しているということは、あまり栄養が吸収されていないのではないか、と不安になる方も少なくありません。
また、過敏性腸症候群の症状が出始めてから、体重が減り始めている方もいます。
病院で検査を受けても異常が見つからず、サプリメントや整腸剤を飲んでも症状が改善しないとき、どうすれば良いのでしょうか?
本当に過敏性腸症候群によって下痢になると、栄養は吸収されないのでしょうか?
過敏性腸症候群と栄養の吸収の関係とは?
1.吸収能力の低下の影響は少しだけ
過敏性腸症候群は小腸や大腸、結腸の腸全体に問題が起こるため、栄養の吸収にも多少の影響があると言われています。
ただ、小腸の栄養を吸収する機能は多少落ちるかもしれませんが、それによって栄養不足による重大な問題が起きるほどではありません。
痩せてしまう原因として多いのは、食べるとトイレに行きたくなるという繰り返しから、食べる量を減らしてしまう要因が大きく関わっています。
2.食事による負担で、吸収しづらくなっている
栄養のつくものと聞くと、多くの方は卵や肉などのタンパク質の多い食事を思い浮かべます。
タンパク質や脂質という栄養も、体を作る重要なものには間違いないのですが、過敏性腸症候群の方は胃腸が弱っているため、十分な吸収ができず、かえって負担になってしまうケースがよくみられます。
また、腸内細菌のバランスが悪くなった状態で、お肉を多く食べると、より悪玉菌の割合を増やすことにもなってしまいます。
特定の食べ物で栄養を取るよりも、バランスの良い食事を心がけてください。
3.ヨーグルトや乳酸菌サプリは効果的か?
腸内環境を良くすることは、過敏性腸症候群の改善には効果的です。
そのため、過敏性腸症候群でお悩みの方は、腸内環境の改善のために乳酸菌を取ろうと、ヨーグルトを食べたり、乳酸菌のサプリメントを飲んだりしている方が沢山います。
ですが、これらの対策だけでは、多くの場合改善がみられません。
それは、これらの対策はあくまで補助であり、普段の食事内容の影響に比べると、とても小さい影響のものだからです。
自然の食べ物には、現在の科学では判明していないような様々な微量栄養素も含まれていて、体に良い影響を与えています。
これらの栄養素は、人工的に作ったサプリメントや、特定の食品だけでまかなえるものではありません。
では、過敏性腸症候群の方が、腸の状態を良くして、栄養を吸収できる状態にするには、どのような対策が取れるでしょうか?
栄養吸収を良くする対策とは?
過敏性腸症候群の原因であるストレスは、減らすことが重要だと分かっていても、症状が深刻な方ほど、ストレスをコントロールすることは難しくなってしまいます。
また主な原因の一つである自律神経の乱れも、自分で解決するのは簡単なことではありません。
そのため、食事内容に気を付けることが、ご自身で一番取り入れやすい対策です。
食事に関しての対策は3つありますが、過敏性腸症候群でお悩みの患者さんが来院された時に、当院がお伝えしている内容の一部で、非常に重要なポイントです。
1.野菜や果物を積極的に食べ、お肉や脂ものの比率を減らす
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃腸への負担が大きくかかります。
また、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまいます。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃腸に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃腸に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの食べる頻度を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかりと飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
特に下痢が続くと、体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
また、食物繊維をとっても、摂取する水の量が少ないと、便秘を引き起こす原因にもなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
まずはこれら3つの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得、腸内環境が良くなり、吸収率を高めることができます。
ただ、過敏性腸症候群の方の多くは程度がきつく、自力だけでの対策では、なかなか改善されない傾向があります。
もし、これらの対策を行っても効果がみられない場合は、骨格や姿勢の調整、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群に悩まされないために
一般的に過敏性腸症候群は良くなりにくい症状だと言われています。
薬を飲んで症状が落ち着いても、根本的な改善は見られづらく、治らないのではないか、と諦めかけている方も多くいます。
ですが、過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、お腹のことを気にせず過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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