なぜ過敏性腸症候群の方は、吐き気に悩まされやすいのか?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 下痢や便秘といった症状に加えて、吐き気にも悩んでいる
- 気分が悪く食事も満足に取れない
- 薬を飲んでも良くならず、どうしたら良いのか分からない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方は、吐き気にも悩まされている方が多くいます。
便秘や下痢といった腸のトラブルに加え、吐き気によって気分が悪く、食欲がない。
食べても気分が悪くなり、吐きそうになってしまうため、食事を少しも楽しめないと悩んでいるケースがみられます。
また、吐き気のために病院で検査を受けても異常がみつからず、薬を飲んでも改善しないで悩んでいる方も少なくありません。
なぜ過敏性腸症候群の方は、吐き気にまで悩まされやすいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
過敏性腸症候群の方の吐き気で考えられる3つの原因とは?
1.過敏性腸症候群による胃腸のトラブル
一般的に吐き気は食べ過ぎや飲みすぎといった、胃腸に負担をかけたときや、胃炎や胃潰瘍といった胃になんらかの不調を抱えている方によくみられます。
過敏性腸症候群の方は、慢性的に腸にトラブルを抱えているため、胃にも負担がかかり、より吐き気をもよおしやすくなっています。
特に便秘型の方は、腸に便が溜まり腹圧が高まります。
高まった腹圧によって胃が圧迫されることで、吐き気が起こりやすくなってしまいます。
2.ストレス
ストレスは過敏性腸症候群を引き起こす大きな要因の一つです。
そしてストレスは吐き気とも大きく関係しています。
体に有害なものを口にしたときには、吐きだす必要があります。
そのため、脳には吐き気をもよおすための、信号を出す部分があります。
本来は体に害を与えるものを口にしたときだけ作動するように、自律神経によって調整されていますが、強いストレスや慢性的なストレスを感じていると脳の勘違いを起こし、吐き気をもよおしてしまいます。
3.姿勢による自律神経の乱れ
自律神経は内臓の働きの多くを調整しています。
そのため、自律神経が乱れると過敏性腸症候群を引き起こしたり、症状を悪化させる原因になります。
その自律神経の乱れる原因は、大きく二つに分けることができます。
ストレスによるものと、骨格のバランス(姿勢)によるものです。
自律神経は脳から背骨の中を走って、全身へと伸びています。
骨格のバランスが崩れて姿勢が悪くなると、背骨の神経の出入り口で自律神経が圧迫され、バランスが乱れてしまいます。
中でも首の関節のバランスの崩れは、特に吐き気と関係が強くみられます。
スマホやタブレット、パソコンを長時間使用する方が増えたことで、首の関節のバランスが悪くなり、吐き気を引き起こしているケースがよくみられます。
過敏性腸症候群の方の吐き気への対策とは?
過敏性腸症候群の方の吐き気は、これらの原因によって引き起こされています。
これらは過敏性腸症候群の根本原因と大きく関係しているため、薬で一時的に抑えても、あまり効果が無かったり、すぐに再発してしまったりします。
そのため、ご自分でできる対策として、もっとも取り入れやすい方法は、日々の食事内容を見直し、胃腸への負担を減らすことです。
胃腸の状態を良くし、腸内環境を整えていくことは、吐き気への対策だけではなく、過敏性腸症候群自体の改善にも役立てることができます。
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は消化に時間がかかり、負担をかけるため吐き気をもよおす原因になります。
また、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やし、腸内環境が悪化するため、食べすぎは過敏性腸症候群の症状も悪化させてしまいます。
野菜や果物は、消化に優しいため、胃腸への負担を減らすことができます。
また、食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
また、過敏性腸症候群の下痢型の方は、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
また、カフェインは胃を荒らしやすく、吐き気をもよおす原因にもなってしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群や吐き気に悩まされず、安心して毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、過敏性腸症候群の根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
便秘や下痢、おならといった腸の不調だけではなく、めまいや吐き気など、さまざまな不調を引き起こす原因にもなる症状です。
症状を抱えたままにしていると、外出が困難になり、通学ができなくなって将来就きたい仕事に就けなくなったり、やりたいことができなくなってしまう恐れがあります。
また、働いている方でも、仕事が続けられなくなるケースもあります。
ですが、過敏性腸症候群は引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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