過敏性腸症候群の一般的な原因と当院が考える根本的な原因とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 過敏性腸症候群になったが、原因が分からない
- ストレスを感じているように思えないが、過敏性腸症候群になった
- 薬を飲んでも良くならず、どうしたら良いのか分からない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方は、人口の10%~15%ほどの人にみられ、度重なる腹痛や下痢などの症状で、生活に大きな支障をきたす疾患です。
明確な原因は確定されていないため、的確な対処がとれず、薬でも良くならないと悩んでいる方の多い症状です。
また、過敏性腸症候群の主な原因にストレスが言われていますが、明確なストレスを自覚していなくても、過敏性腸症候群に悩んでいる方が多くいます。
なぜ過敏性腸症候群は引き起こされるのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
一般的な過敏性腸症候群の原因とは?
一般的に過敏性腸症候群は、腸の検査などでははっきりとした異常が見つからない為、原因は特定されていません。
その上で、これが原因ではないかと推測されているのが主に次の2つです。
1.ストレスによる腸でのセロトニンの異常
ストレスを感じると、腸はセロトニンというホルモンを分泌します。
セロトニンは腸壁の運動に関係しているため、強いストレスや慢性的なストレスによってセロトニンの量が増えると、腸壁が過剰収縮し、過敏性腸症候群が発症すると考えられています。
ストレスが軽減することで過敏性腸症候群が大きく改善する方も多くいます。
ところが、薬で腸がセロトニンを吸収しないように抑えても、臨床研究では実際に効果があったのはおよそ4割の方に留まり、残る6割の方には変化が見られませんでした。
そのため、過敏性腸症候群はストレスだけが原因ではなく、他の要因も大きく絡んでいると考えられています。
2.免疫異常
過敏性腸症候群を発症原因として、風邪や食中毒などの菌に感染し、下痢の症状が起きた後、過敏性腸症候群を発症するケースがあります。
これを「感染性腸炎後・過敏性腸症候群」といい、過敏性腸症候群で悩んでいる方の5%~25%が該当すると言われています。
『過敏性腸症候群診断ガイドライン2014』
そのため「過敏性腸症候群には免疫の異常が関係しているのではないか」とも考えられています。
これら2つが、今現在過敏性腸症候群の原因として一般的に言われているものです。
当院が考える過敏性腸症候群の根本的な原因とは?
1.腸内環境の乱れ
腸には無数の菌が生息していて、その数は100兆個にも及びます。
腸内細菌は様々な働きをしていて、食べ物の分解を行ったり、ビタミンなど体に必要とされる栄養素を作ったりもします。
体に良い効果を与える菌だけではなく、炎症を引き起こしたり、体に有害な物質を作る菌もあります。
腸に良くない食事、防腐剤や食品添加物、ストレスなどの影響によって腸内環境が悪くなると、腸の働きに異常が起こり、過敏性腸症候群を引き起こします。
腸に問題を抱えていない人の場合、腸内細菌の割合や、細菌の量に問題はないのですが、過敏性腸症候群の方には特定の悪玉菌の割合が高かったり、ガス型の方では小腸に異常な量の細菌が繁殖していたりすることがこの数年の研究でわかっています。
『IBDおよびIBSにおける腸内細菌の関与』新井 万里 日本内科学会雑誌104号
『腸内細菌と過敏性腸症候群』福土 審 日本消化器学会雑誌112号
また、腸の状態が悪くなると、腸の粘膜のバリア機能が壊れてしまい、菌などが粘膜から入り、血液中に流れてしまうことでも、さまざまな不調を引き起こす原因となります。
2.猫背など骨格のバランスの崩れによる自律神経の乱れ
自律神経は興奮したときに働く「交感神経」とリラックスしたときに働く「副交感神経」に分かれます。
そして自律神経は内臓の働きの多くを調整しています。
そのため、自律神経が乱れると腸の働きが過剰になったり、逆に働かなくなったりといった異常が起こるため、過敏性腸症候群を引き起こしたり、症状を悪化させる原因になります。
その自律神経の乱れる原因は、大きく二つに分けることができます。
ストレスによるものと、骨格のバランス(姿勢)によるものです。
自律神経は脳から背骨の中を走って、全身へと伸びています。
骨格のバランスが崩れて姿勢が悪くなると、背骨の神経の出入り口で自律神経が圧迫され、バランスが乱れてしまいます。
スマホやタブレット、パソコンを長時間使用する方が増えたことで、姿勢が悪くなり、自律神経の乱れを引き起こしているケースがよくみられます。
過敏性腸症候群への対策とは?
過敏性腸症候群は、これらの原因によって引き起こされています。
腸内環境の悪化や自律神経の乱れといった根本原因が残っていると、薬で一時的に抑えても、あまり効果が無かったり、すぐに再発してしまったりします。
また、ストレスを感じていないのに過敏性腸症候群でお悩みの方の原因も、これらが考えられます。
一度乱れてしまった自律神経を自分で整えることはとても難しいことです。
そのため、ご自分でできる対策として、もっとも取り入れやすい方法は、日々の食事内容を見直し、胃腸への負担を減らすことです。
胃腸の状態を良くし、腸内環境を整えていくことで、過敏性腸症候群自体の改善に役立てることができます。
また、腸内環境が改善し症状が軽くなれば、下痢や腹痛などによって起こるストレスを減らすことにもつながります。
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけてしまいます。
また、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やし、腸内環境が悪化するため、食べすぎは過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物は、消化に優しいため、胃腸への負担を減らすことができます。
また、食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
また、過敏性腸症候群の便秘型の方は、水の摂取量の少ないケースがよくみられます。
下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状になりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、過敏性腸症候群の根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
便秘や下痢、おならといった腸の不調だけではなく、めまいや吐き気など、さまざまな不調を引き起こす原因にもなる症状です。
また、薬で改善がみられず、何年も症状を抱えている方も少なくありません。
症状を抱えたままにしていると、外出が困難になり、通学ができなくなって将来就きたい仕事に就けなくなったり、やりたいことができなくなってしまう恐れがあります。
働いている方でも、仕事が続けられなくなるケースもあります。
ですが、過敏性腸症候群は引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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