なぜ過敏性腸症候群のチクチクした腹痛はストレスでひどくなるのか?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- お腹のチクチクとした痛みがつらい
- ストレスを感じると、きつい腹痛に襲われてしまう
- 整腸剤を飲んでいるけど、症状がいっこうに良くならない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方に非常によくみられる悩みに、チクチクとした腹痛があります。
ストレスや不安感を感じると腹痛に襲われ、いつもお腹の痛みを抱えたまま毎日を過ごしているという方が少なくありません。
薬や市販されている整腸剤を飲んだり、ヨーグルト、サプリメントを試したりしても、改善がみられないと悩んでいる方が非常に多くいます。
なぜ過敏性腸症候群の方は、チクチクした腹痛はストレスでひどくなるのでしょうか?
また、どのような対策を取ることができるのでしょうか?
過敏性腸症候群の腹痛がストレスでひどくなる原因とは?
1.腸内の感覚が過敏になるから
過敏性腸症候群の方は、腸内環境が悪化することで、腸の感覚がとても敏感になっています。
腸内にゴム風船を入れ、どれぐらい膨らんだ状態で痛みを感じるかを調べる、バロスタット法という検査があります。
過敏性腸症候群の方は、この検査でほとんど膨らんでいない、非常に早い段階で腹痛を訴えることが分かっています。
そのため、普通の方であれば反応しないような刺激(腸内に便が移動した際や、ガスが溜まってきた際)に、腸壁が刺激を受けると、痛みとして信号が脳へと伝わり、腹痛を引き起こします。
腸の過敏性は、度重なるストレスや自律神経の乱れ、食事によって腸内環境が悪くなることで引き起こされます。
2.腸の筋肉が過剰に収縮するから
腸には人が意識できない筋肉があり、収縮することで便を移動させています。
腸の状態が良い人では、筋肉は適切に収縮と弛緩の調整が行われています。
ところが過敏性腸症候群の方は、腸の筋肉が緊張している時間が長く、また過剰に収縮しやすい状態になってしまっています。
また、脳と腸は繋がりあっていて、ストレスを感じると防御反応として、腸の筋肉が過剰に収縮することが分かっています。
そして腸の筋肉の過剰な収縮が、脳に痛みの信号として伝わり、チクチクとした腹痛の原因になるのです。
過敏性腸症候群の方が、ストレスや不安感を感じると起こる腹痛は、これら二つに引き起こされています。
過敏性腸症候群のチクチクとした腹痛への対策とは?
なぜ腸内が過敏になるのでしょうか。
また腸の筋肉が過剰に収縮するのでしょうか。
それは、腸内細菌の悪玉菌の増加、自律神経の乱れ、腸の内臓疲労などが原因によって引き起こされます。
これらは、過敏性腸症候群を引き起こす主要な原因でもあります。
そのため腹痛を良くすることは、過敏性腸症候群自体を良くすることにもつながります。
ただ、過敏性腸症候群は自力での改善の難しい症状です。
症状がきついとストレスから腸内環境は悪化しやすいですし、また自律神経を自分で整えることは非常に困難です。
そこで、ご自身で取れる対策で一番効果的なのは、毎日の食事を見直し、腸への負担を減らし活発に働かせることが大切です。
1.野菜や果物の食べる量を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまい、また臭いの元にもなってしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、腸内環境が悪化するため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
ところで、不溶性の食物繊維は、一度に食べる量を増やすと、一時的にガスの量を増やしたり、下痢を助長してしまうことがあります。
そのため、過敏性腸症候群の下痢型でお悩みの方には、食物繊維の摂取量を減らしている方もいます。
ですが、根本的な改善のためには、野菜や果物の摂取は欠かせません。
お腹の状態を見ながら、食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
便秘型の方は水分が不足しているケースが多くみられ、また、過敏性腸症候群の下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、快適に毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は、生活に支障をきたしやすい症状です。
また、一般的には慢性化し、薬を飲んだりしていても、なかなか治りにくいとされている症状です。
その結果、症状を抱えたままにしていると、通学するのがつらくなったり、仕事を続けられなくなったりして困っている方が多くいます。
ですが、過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、けっして良くならない症状ではありません。
食事の取り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
過敏性腸症候群に悩まされず、快適に毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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