過敏性腸症候群を悪化させる食べてはいけないものはあるのか?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 何を食べたらお腹に良いのか分からない
- 食べるものを制限すると、食事が楽しくなくなってしまった
- 薬を飲んでも症状がいっこうに良くならない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方の多くに見られる悩みのひとつに、食事の問題があります。
下痢や便秘、ガスといった症状が食べ物と深く関係していることは知っていても、具体的に何を食べたら良いのか分からないと悩んでいる方が多くいます。
また、なかには腸に良いと紹介されたものを食べ、かえって状態を悪くしてしまっているようなケースもみられます。
過敏性腸症候群の方は、どのような食事を取れば良いのでしょうか?
また、どのような食べものを避けたほうが良いのでしょうか?
過敏性腸症候群の方が食べすぎてはいけないものとは?
腸に悪い食べものを、すべて取り除いていると、好きなものがまったく食べれず、ストレスが溜まってしまい、多くの方が長続きしません。
また、ストレスが溜まると腸内環境が悪化してしまうので、期待しているほどの効果も得られないケースもよく見られます。
それぞれの食べものには、体にとって良い面と悪い面があります。
どれかの食材だけを偏ってとったり、除去しても、長い目で見て栄養のバランス面で良くありません。
たとえば、動物性のタンパク質(お肉)の食べすぎは、腸内細菌の悪玉菌を増やし、過敏性腸症候群の状態を悪化させてしまいます。
ですがタンパク質自体は、筋肉や肌など、様々な組織に欠かせないものです。
植物性のタンパク質だけで十分な量を摂取しようとすると、多くの量の食事が必要になり、かえって腸に負担をかけてしまう結果にもなりかねません。
その他の例として、腸に良いものとして知られているオリゴ糖は、少量であれば善玉菌を増やしてくれます。
ですが、摂取量が多いと腸内でガスが発生し、お腹の張りやおなら、腹痛の原因になってしまいます。
そのため、食べてはいけないものというより、食べすぎを避け、腸に良いものの比率を高めることが重要になってきます。
また、食べものに対する許容量は、人によって個人差が大きいものです。
もし、日々の食事の中で、食べると調子が悪くなると感じるものがあれば、感覚を大切にすることも重要です。
これらの上で、過敏性腸症候群の方の多くにとって、食べすぎを避けたほうが良いものが次の4つです。
1.香辛料
香辛料に含まれる辛味成分は、ヒスタミンというホルモンを作ります。
このヒスタミンは、体の様々な場所で使われるのですが、腸の筋肉が収縮する際にも使われます。
そのため、腸の筋肉の過剰な収縮を招いてしまい、腹痛が起こりやすくなってしまいます。
2.高脂質な食べもの
お肉や揚げ物などの脂の多いものを取ると、腸内の感覚が過敏になることが分かっています。
腸内が過敏になることで腹痛を感じやすくなったり、便意をもよおしやすくなります。
また、これらの食事は腸内細菌の悪玉菌の割合を増やしてしまうため、食べすぎに注意する必要があります。
3.砂糖を多く含んだ甘いもの
お菓子などに含まれる砂糖は、腸内細菌の悪玉菌の割合を増やしてしまいます。
また、腸壁の有害物質をバリアする機能の働きが弱くなってしまうため、腸内細菌が血液に入り込む原因にもなります。
4.牛乳やヨーグルト(乳糖不耐症の方)
乳糖不耐症とは、牛乳を分解する消化酵素が少ないため、腸内で消化不良を起こす人のことです。
腸内で十分に分解されなかった乳糖は、消化不良によって芸や腹痛を引き起こしたり、腸内細菌のエサになってガスを発生させたりします。
消化酵素の量は人によって非常に個人差が大きく、少量の牛乳でも消化できない人もいれば、多くの量を摂取しても問題のない人もいます。
過敏性腸症候群の方におすすめの食事の比率と対策とは?
これらの食べ物を食べすぎない上で、普段の食事はどのように取れば良いでしょうか?
次の3つのポイントに気を付けて、対策を取りいれてください。
1.野菜や果物の食べる比率を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまい、また臭いの元にもなってしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、腸内環境が悪化するため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
ところで、不溶性の食物繊維は、一度に食べる量を増やすと、一時的にガスの量を増やしたり、下痢を助長してしまうことがあります。
そのため、過敏性腸症候群の下痢型でお悩みの方には、食物繊維の摂取量を減らしている方もいます。
ですが、根本的な改善のためには、野菜や果物の摂取は欠かせません。
お腹の状態を見ながら、食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
便秘型の方は水分が不足しているケースが多くみられ、また、過敏性腸症候群の下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、快適に毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は、生活に支障をきたしやすい症状です。
また、一般的には慢性化し、薬を飲んだりしていても、なかなか治りにくいとされている症状です。
その結果、症状を抱えたままにしていると、通学するのがつらくなったり、仕事を続けられなくなったりして困っている方が多くいます。
ですが、過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、けっして良くならない症状ではありません。
食事の取り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
過敏性腸症候群に悩まされず、快適に毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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