過敏性腸症候群の方の頭痛が薬で治らない理由
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- お腹の不調だけでなく、きつい頭痛にも悩まされている
- 腹痛や頭痛がひどく、寝込んで仕事に行けない日がある
- 整腸剤や頭痛薬を飲んでいるけど、症状がいっこうに良くならない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方に非常によくみられる悩みに、きつい頭痛や慢性的な頭痛があります。
過敏性腸症候群で悩んでいる方の51%もの人が、頭痛を併発していると言われています。
そして腹痛や頭痛が重なることで寝込んでしまい、仕事や学校に行けないなど、日常生活に大きな支障をきたし、深刻に悩んでいる方の多い症状です。
また、整腸剤や頭痛薬では一時的には楽になっても、どちらの症状も根本的に良くなることは少なく、慢性化してしまっているケースが大半です。
なぜ過敏性腸症候群の頭痛は、薬で治らないのでしょうか?
また、薬以外にどのような対策を取ることができるのでしょうか?
*頭痛には脳卒中などの命にかかわるケースもあるため、ひどい頭痛に悩まされている方は、一度検査を受けることをおすすめします。
この記事では病院で検査を受けたにもかかわらず、原因が明確にならない慢性的なものを頭痛としています。
過敏性腸症候群の方がきつい頭痛や慢性的な頭痛に悩まされやすい原因
1.ストレスの問題
多くの方が知っているように、過敏性腸症候群を引き起こす原因には、ストレスが大きく関わっています。
ストレスを感じると、人の体は様々な防御反応を示しますが、腸でもその反応が起こっています。
腸の筋肉が過剰に収縮したり、腸内環境が乱れてしまいます。
過敏性腸症候群の方は、ストレスによって症状を悪化させ、症状が悪化することによってストレスを感じやすくなるという、悪循環に陥りやすい傾向があります。
そして、ストレスは頭痛の原因でもあります。
ストレスを感じると、人の体は全身が緊張します。
普段は意識しないような、首や頭の小さい筋肉も緊張することで、頭が締めつけられ、血流が悪くなって頭痛を引き起こします。
2.血流の問題
頭痛の原因の一つには、頭に行く血流の問題があります。
血流が悪くなって、酸素や栄養素が十分に行き届かなくなると、頭の筋肉や神経が緊張し、頭痛が起こります。
きつい肩こりがあっても、脳に行く血流が悪くなるため、肩こりがひどくなると頭痛を感じると自覚している方も少なくありません。
これを緊張型頭痛といい、日本で最も多くの人にみられる頭痛と言われています。
そして、腸と全身の血流には、深い関係があります。
内臓には非常に多くの血管やリンパ節が密集しています。
そのため腸の働きが低下すると血流が悪くなり、その影響は全身に及ぶことで、頭痛を引き起こします。
3.自律神経の問題
胃や腸といった内臓の働きを調整しているのが自律神経です。
自律神経は交感神経(緊張)と副交感神経(リラックス)に分かれ、内臓を働かせたり、休ませたりしています。
そのため、自律神経が乱れると、腸の働きが過剰になったり、働かなくなることで、過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまいます。
同時に、自律神経は首から頭へと走っています。
自律神経のバランスが乱れると、頭に通っている血管の緊張にも異常が起こったり、また痛みを感じる神経(感覚神経)が過剰に興奮するため、頭痛が起こります。
自律神経の乱れは、生活に大きな支障をきたしやすい片頭痛や群発性頭痛を引き起こします。
薬の飲みすぎは薬物乱用頭痛の原因にもなるので注意が必要
これらの原因以外に、過敏性腸症候群の方に起こりやすく、注意が必要な頭痛がもうひとつあります。
それが何かというと、頭痛薬を頻回に飲むことで、かえって頭痛を引き起こしてしまう「薬物乱用頭痛」というものです。
なぜ頭痛薬を飲んでいて、かえって頭痛を引き起こしてしまうのでしょうか。
痛み止めを飲み続けると、脳が痛みを感じにくい状態を続くことになります。
痛みは頭痛に悩んでいる方には悩ましい問題ですが、体のどこかに問題が起きていないかをチェックする欠かせない機能です。
そのため、脳は痛みのセンサーの感度を上げるように対処し、痛みを感じやすい状態にしてしまいます。
頭痛で悩んでいる方のおよそ1%、病院などに頭痛で通っている方のおよそ10%は、この頭痛だと言われています。
そして、痛みがきつく、寝込んでしまうような重症例が多い特徴があります。
過敏性腸症候群の方は、腸内環境の悪化によって、強いストレスを受けやすくなっており、痛みや不調を強く感じます。
そのため、どうしても薬の量が増えてしまう方が多くなっています。
緊急時やつらい症状の時に薬を頼ることは、悪いことではありません。
ですが、慢性化した過敏性腸症候群や頭痛は、根本的な原因を取り除かない限り、薬を飲み続けても良くなる可能性は低いです。
慢性的な過敏性腸症候群や頭痛は、症状を引き起こしている原因を取り除き、根本から解決していく必要があります。
過敏性腸症候群の方の深刻な頭痛への対策とは?
過敏性腸症候群の方の深刻な頭痛は、腸の状態が悪くなっていることに大きな影響を受けています。
そのため、頭痛を良くするには、過敏性腸症候群自体を良くする必要があります。
ただ、過敏性腸症候群は自力での改善の難しい症状でもあります。
症状がきついとストレスを感じやすいですし、また自律神経を自分で整えることは非常に困難です。
そこで、ご自身で取れる対策で一番効果的なのは、毎日の食事を見直し、腸への負担を減らし活発に働かせることです。
1.野菜や果物の食べる量を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまい、また臭いの元にもなってしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、腸内環境が悪化するため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
ところで、不溶性の食物繊維は、一度に食べる量を増やすと、一時的にガスの量を増やしたり、下痢を助長してしまうことがあります。
そのため、過敏性腸症候群の下痢型でお悩みの方には、食物繊維の摂取量を減らしている方もいます。
ですが、根本的な改善のためには、野菜や果物の摂取は欠かせません。
お腹の状態を見ながら、食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
便秘型の方は水分が不足しているケースが多くみられ、また、過敏性腸症候群の下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群や頭痛に悩まされず、快適に毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群や頭痛は、生活に支障をきたしやすい症状です。
また、一般的には慢性化し、治りにくいとされている症状です。
症状を抱えたままにしていると、通学するのがつらくなったり、仕事を続けられなくなったりして困っている方が多くいます。
ですが過敏性腸症候群も頭痛も、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の取り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
症状に悩まされず、快適に毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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