過敏性腸症候群になりやすい性格と、メンタルに与える影響とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- ストレスや不安を感じやすく、すぐにお腹が痛くなってしまう
- 過敏性腸症候群の症状がきつく、いつも気分が落ち込んでしまう
- 整腸剤や薬を飲んでいるけれど、症状がいっこうに良くならない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の症状に悩み、毎日ストレスを抱えて落ち込んでしまうという方が多くいます。
ストレスを抱えないように気を付け、明るく生活したいと思っても、性格的に気になって、できないと悩んでいる方が少なくありません。
過敏性腸症候群と性格にはどのような関係があるのでしょうか?
また、どのような対策を取ることができるのでしょうか?
過敏性腸症候群になりやすい性格とは?
過敏性腸症候群を引き起こす原因の一つに、ストレスがあります。
ストレスを感じると、人の体は様々な防御反応を示しますが、腸でもその反応が起こっています。
腸の筋肉が過剰に収縮したり、腸内環境が乱れてしまいます。
そのため真面目や几帳面、気遣いができるといった、細やかな性格の人が、過敏性腸症候群になりやすい傾向があります。
また、うつや不安神経症の傾向のある人にも、過敏性腸症候群を併発しやすいという結果が出ています。
(『過敏性腸症候群診断ガイドライン2014』)
過敏性腸症候群になると性格にも影響が出てしまう
性格が過敏性腸症候群になりやすいかどうかに影響するのと同時に、過敏性腸症候群も、性格に様々な影響を与えます。
1.ストレスを感じやすく、うつ傾向が高まる
ストレスを受けたときに、どれだけ負担を感じるかをストレス耐性と言います。
学校のテストや部活の大会、就職の面接など、プレッシャーがかかる場面でも、ストレス耐性の強い方は耐えたり、ストレスをバネにすることができます。
逆にストレス耐性がないと、アガッてしまったり、実力を十分に発揮できなかったりしてしまいます。
このストレス耐性に、腸内環境が大きな影響を与えることが分かってきました。
善玉菌が少ない人では、うつ病のリスクが3倍にも高まることが分かっています。
(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 2016『大うつ病患者の腸内細菌叢におけるBifidobacteriumとLactobacillusとの関連』)
過敏性腸症候群の方は、腸内環境が悪化していることで、ストレス耐性が弱くなってしまいます。
2.ポジティブな感情を感じにくくなる
幸福を感じるのは、セロトニンやドーパミンというホルモンが脳に分泌されることで起こります。
嬉しいことや楽しいことがあったとき、脳はこれらのホルモンによって、嬉しさや楽しさを感じています。
ところが、過敏性腸症候群によって腸の働きが落ちると、セロトニンやドーパミンを作る量が減ってしまいます。
そのため、健康な状態であれば楽しい出来事も、日常の中でポジティブな感情が感じられにくくなるため、感情がネガティブ思考になりやすくなってしまいます。
過敏性腸症候群への対策とは?
ストレスに強くなろう、ポジティブ思考になろう、性格を変えよう、と思っても、人の性格は簡単に変えられるわけではありません。
脳と体が密接に関係しているため、脳(気持ち)だけが変わろうと思っても、体質自体がすぐに変わってくれないのです。
特に体調が悪いときほど、気持ちも引きずられがちです。
そして気持ちだけで変わろうとして上手くいけば良いのですが、変われない自分に対し、自信を失ってしまう原因にもなりかねません。
そのため、ご自分で取り入れやすい対策としては、普段の食事を見直し、腸の状態を改善していくことが大切です。
腸の状態が良くなることで、楽しさや嬉しさを感じるホルモン(セロトニン・ドーパミン)を作る量を増えやすくし、過敏性腸症候群のつらい症状によるストレスを軽減することが期待できます。
1.野菜や果物の食べる量を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまい、また臭いの元にもなってしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、腸内環境が悪化するため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
ところで、不溶性の食物繊維は、一度に食べる量を増やすと、一時的にガスの量を増やしたり、下痢を助長してしまうことがあります。
そのため、過敏性腸症候群の下痢型でお悩みの方には、食物繊維の摂取量を減らしている方もいます。
ですが、根本的な改善のためには、野菜や果物の摂取は欠かせません。
お腹の状態を見ながら、食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
便秘型の方は水分が不足しているケースが多くみられ、また、過敏性腸症候群の下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、充実した毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
症状を抱えたままにしていると、通学するのがつらくなったり、仕事を続けられなくなったりして困っている方が多くいます。
また、一般的には慢性化し、治りにくいとされている症状です。
ですが過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の取り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、充実した毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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