過敏性腸症候群の方が体臭に悩まされる原因と、その対策とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 学校や職場で、周りからおなら臭いと言われてしまう
- 電車やバスに乗るのに臭いが気になって、外出できない
- 整腸剤や薬を飲んでいるけれど、効果がない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方にみられる症状のひとつに、体臭の悩みがあります。
教室や職場でおなら(ガス)の臭いがしてしまうため、周囲におなら臭いと言われて気まずく恥ずかしい思いをしてしまう方が多くいます。
消臭剤を使ったり、サプリメントを飲んだり、ヨーグルトを食べたりと、自分で色々な対策をしても、あまり効果がなく悩んでいるケースもよくみられます。
なかには不登校になってしまったり、仕事を辞めてしまう方も少なくありません。
なぜ過敏性腸症候群の中には、体臭の問題で悩まされる方がいるのでしょうか?
また、どのような対策を取ることができるのでしょうか?
過敏性腸症候群の方が体臭に悩まされやすい3つの原因
1.腸が臭いの元を吸収し、血液で流れ全身に回ってしまうから
過敏性腸症候群で体臭に悩まされてしまう方の臭いの元は、腸内の便やガスにあります。
過敏性腸症候群の方は、腸のバリア機能が低下してしまっているため、有害物質やガスなどを吸収しやすくなっています。
腸内で作られた臭いの元は、腸壁を通って血液に流れてしまい、全身に回ることで、汗腺や肺から体臭として出てしまいます。
その上、正常な便は臭いや有害物質が流れにくいようになっているのですが、便秘による便の長時間の滞留や、下痢やガスによって、腸が吸収しやすい状態になってしまいます。
そのため健康な方に比べると、臭いの元を吸収する量が格段に増えてしまい、体臭に悩まされることになってしまいます。
2.悪玉菌が食べ物の分解の際にガスを発生させるから
過敏性腸症候群の方は腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌の割合が高くなっています。
その悪玉菌の中でも、ウォルシュ菌と呼ばれる菌は特に臭いと関係性が深く、タンパク質や動物性の脂質、ニンニク、ニラ、玉ねぎなどを分解した際に、強い臭いを発生させます。
その他にも、小腸内に腸内細菌が過剰繁殖する『SIBO』と呼ばれる現象が起こり、ガスが多量に発生し、おならに悩まされやすくなったりもします。
3.腸液の量が過剰に増えるから
腸の分泌液が気化したものも、臭いの原因になります。
腸液の本来の働きは、腸壁を保護し、便の動きをスムーズにして便通を促すことです。
過敏性腸症候群の方は、腸の機能に異常が起こることで、この腸液の量も過剰に増えてしまい、腸内で気化することで吸収され、臭いの元になっています。
過敏性腸症候群による体臭への対策とは?
過敏性腸症候群の方が体臭に悩まされないようにするには、腸内環境を良くして、悪玉菌の割合を抑え、良い便を出すことです。
腸内環境が良くなることで、腸壁のバリア機能も回復し、臭いの元の吸収を防ぐことができます。
そのためには、一番遠回りのように見えて、普段の食事や生活を見直すことが、結果として一番効果的で、そして最短の対策になります。
1.野菜や果物の食べる量を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまい、また臭いの元にもなってしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、腸内環境が悪化するため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
ところで、不溶性の食物繊維は、一度に食べる量を増やすと、一時的にガスの量を増やしたり、下痢を助長してしまうことがあります。
そのため、過敏性腸症候群の下痢型でお悩みの方には、食物繊維の摂取量を減らしている方もいます。
ですが、根本的な改善のためには、野菜や果物の摂取は欠かせません。
お腹の状態を見ながら、食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
便秘型の方は水分が不足しているケースが多くみられ、また、過敏性腸症候群の下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、充実した毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
症状を抱えたままにしていると、通学するのがつらくなったり、仕事を続けられなくなったりして困っている方が多くいます。
また、一般的には慢性化し、治りにくいとされている症状です。
ですが過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の取り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、充実した毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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