過敏性腸症候群の下痢型の原因と対策とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- いつお腹が痛くなるか分からないので、電車やバスに乗るのが怖い
- 毎日、何度もトイレに行かないといけないのが苦痛
- 薬を飲んでも良くならず、どうしたら良いのか分からない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の下痢型の方は、頻繁にトイレに行きたくなるため、日常生活に大きな支障をきたしている方が多くいます。
電車やバスといった乗り物などに乗ると、腹痛が起こりトイレに行きたくなるため、通勤や通学ができない方もいます。
また、職場での重要な会議や、学校でのテストなどの大切な場面にかぎってお腹が痛くなるため、お腹が気になって思うように実力を出せないと悩んでいるケースもみられます。
なぜ過敏性腸症候群の下痢型は引き起こされるのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
過敏性腸症候群の下痢型の原因とは?
1.食物繊維の不足や食事の乱れ
過敏性腸症候群は、日々の食事の影響を大きく受けます。
毎日の食事で腸に負担をかけてしまうと、症状を悪化させてしまいます。
たとえば、ファーストフードやスナック菓子、冷凍食品を頻繁に食べていたり、外食が多くなっているような食生活は、腸内環境を悪化させ、過敏性腸症候群を悪化させる原因になります。
この数年の研究では、過敏性腸症候群を引き起こす大きな要因の一つとして、腸内細菌叢の割合が関係していることが分かっています。
(『腸内細菌と過敏性腸症候群』 著:福土 審 2015)
また、腸内環境を整えてくれる食物繊維の平均摂取量が、過敏性腸症候群の多くみられる10~20代には少ないことが分かっています。
(『平成22年国民健康・栄養調査結果の概要」厚生労働省)
2.自律神経の乱れ
自律神経は、交感神経(活動や緊張)と副交感神経(リラックスや緩和)を調整しています。
運動しているときや、ストレスで緊張しているときは交感神経が活発に働き、リラックスしているときは、副交感神経が活発に働きます。
この自律神経が、胃腸をはじめとした内臓の働きを主に調整しています。
そのため、自律神経に乱れが起きると、内臓の働きに異常が起こります。
腸の活動が過剰になり、過敏性腸症候群の下痢の症状を引き起こします。
自律神経は脳から背骨の中を走って、全身へと伸びています。
姿勢が悪くなると、神経の出入り口で自律神経が圧迫され、バランスが乱れてしまいます。
最近は、スマホやタブレット、パソコンを長時間使用する方が多く、姿勢が悪くなっているケースがよくみられます。
そのため、自律神経の乱れを引き起こしやすくなっています。
3.ストレスによる影響
ストレスを感じると、腸の筋肉が痙攣を起こします。
この筋肉の痙攣が、過敏性腸症候群の下痢型の方の多くに見られる腹痛の主な原因です。
また、腸の筋肉が収縮することで、便の移動が起こり、下痢やおならの多発といった症状が現れます。
さらに、過敏性腸症候群の方は腸壁の感覚が過敏になっています。
そのため、少量の便が溜まった状態であっても、腸は「沢山の便が溜まっている」と勘違いし、便を排出しようとします。
これらの原因によって、過敏性腸症候群の下痢型の人は、症状を悪化させてしまっています。
ストレスがなくなっても症状が続く理由とは?
過敏性腸症候群は、ある時期に強いストレスを感じていて発症したというケースが多くみられます。
しかし、その後環境が変わり、もともと気にしていたストレスがなくなったのに、症状が良くならないという方が少なくありません。
これは、過敏性腸症候群の不快な症状自体が強いストレスになってしまっていたり、本人が意識していたのはストレスだけでも、実際には腸内環境の問題や自律神経の問題を抱えてしまっているために起こります。
過敏性腸症候群の下痢型の方への対策とは?
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、腸内環境が悪化するため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
ところで、不溶性の食物繊維は、下痢型の方が一度に食べる量を増やすと、一時的に下痢を助長してしまうことがあります。
そのため、過敏性腸症候群の下痢型でお悩みの方には、食物繊維の摂取量を減らしている方もいます。
ですが、根本的な改善のためには、野菜や果物の摂取は欠かせません。
お腹の状態を見ながら、食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
また、過敏性腸症候群の下痢型の方は、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、過敏性腸症候群の根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
症状を抱えたままにしていると、下腹部痛や下痢などのために外出が困難になり、通学ができなくなって将来就きたい仕事に就けなくなったり、やりたいことができなくなってしまう恐れがあります。
また、働いている方でも、仕事が続けられなくなるケースもあります。
ですが、過敏性腸症候群は引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
関連記事 こちらもおススメです。合わせてお読みください
前の記事を読む
→過敏性腸症候群のガス型の原因と対策とは?
次の記事を読む
→なぜ過敏性腸症候群の方は、吐き気に悩まされやすいのか?
創輝(そうき)鍼灸整骨院
〒558-0003
大阪府 大阪市住吉区 長居3-2-3-1F
受付時間:午前 9:00~13:00
午後16:00~20:00
(定休日:土曜日午後・日曜・祝日)
> 詳しい道順はコチラ