過敏性腸症候群のガス型の原因と対策とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- いつおならが出るか分からないので、教室や職場、電車などの密閉された場所が怖い
- おならをガマンしているはずなのに、臭いと言われてしまう
- 薬を飲んでも良くならず、どうしたら良いのか分からない
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群には腸にガスが溜まり、おならが多量に出てしまう、ガス型と呼ばれるタイプがあります。
すぐにおならがしたくなるため、教室や職場、電車やバスといった密閉された場所にいることに緊張してしまい、通学や通勤に支障が出てしまいます。
また、自分では我慢しているはずなのに、周りから臭いと言われてしまうケースもあり、とても辛い思いをされている方の多い症状です。
なぜ過敏性腸症候群のガス型の方はガスが溜まるのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
過敏性腸症候群のガス型を悪化させる4つの原因
過敏性腸症候群の方のおならも、そうでない方のおならも、成分のほとんどは空気で出来ています。
過敏性腸症候群の方のおならの回数が多くなってしまうのは、本人が意識せずに多量の空気を呑み込んでいることと、腸内環境の悪化によって、ガスが発生しているために起こることに分けることができます。
1.空気を呑み込んでいることによる影響
過敏性腸症候群のガス型の方は、本人が意識せずに多くの空気を呑み込んでしまっています。
体内に空気を取り込む原因としては、
- ・緊張でよくつばを飲み込む
- ・噛む回数が少なく、食べものに多くの空気が含まれている
ことが主な原因です。
過敏性腸症候群の主な原因はストレスといわれています。
ストレスを感じると、頻回につばを飲み込むタイプの方がいて、つばと一緒に空気を呑み込んでしまいます。
腸に多量の空気が溜まった結果、おならが出やすくなります。
2.腸内環境の悪化によるもの
過敏性腸症候群の方は、腸内細菌のバランスが乱れてしまっています。
この数年の研究で、過敏性腸症候群を引き起こす大きな要因の一つとして、腸内細菌叢の割合が関係していることが分かっています。(『腸内細菌と過敏性腸症候群』 著:福土 審 2015)
腸内細菌のバランスが悪いと、食事でとったタンパク質が上手に分解されず、腐敗してしまい、おならの臭いの原因になります。
また、腸は腸内を保護するために、腸液という液体を分泌しています。
過敏性腸症候群の方は、腸の機能に異常が起こることで、この分泌液の量も増えてしまっています。
多量の腸液が腸内に溜まりガス化することで、おならの量と臭いの原因になります。
3.食べ物の影響
さつまいもを食べるとおならが良く出る、という話は一般的に知られていますが、食べ物にはガスを発生させやすいものがあります。
腸内細菌の一種で、悪玉菌として知られるウォルシュ菌は、お肉や動物性の脂質、ニンニク、ニラ、ネギといった食べ物を分解し、その際に強い臭いを発生させます。
その他にも、うどんやラーメン、パスタなどの小麦の多い食品や、牛乳、ヨーグルト、炭酸飲料、キシリトールガムなども、ガスを発生させやすいと言われています。
多少であれば問題なくとも、ガスの発生させやすい食べものを多く取ることで、ガスの量を増やしてしまいます。
4.ストレスによる影響
ストレスを感じると、腸の筋肉が痙攣を起こします。
腸の筋肉が収縮することで、便の移動が起こり、腹痛や下痢、おならの多発といった症状が現れます。
また、過敏性腸症候群の方は、腸壁が過敏になっています。
そのため、少量の便やガスが溜まった状態であっても、腸は「沢山の便やガスが溜まっている」と勘違いし、おならの頻度や量が増えます。
これらの原因によって、過敏性腸症候群のガス型の人は、症状を悪化させてしまっています。
さらに、ガス型の方は、「おならをしていない時にも臭いがする気がする」、あるいは「誰かから臭いを指摘された」というお悩みを持つ方が少なくありません。
これは、臭いの強いガスが腸の中に常にあるため、腸壁から臭いの元が吸収され、口臭や体臭として外に出てしまい起こってしまうことです。
過敏性腸症候群のガス型の方への対策とは?
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまいます。
悪玉菌の割合が増えることで、おならの臭いの元ができてしまうため、食べすぎは症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
腸内環境が良くなれば、おならの臭気が落ち着いたり、ガスの量自体も減っていきます。
野菜や果物の摂取で気を付けるポイントがあります。
原因の所でも書いていますが、一部の食べ物は野菜や果物であっても、ガスの量を増やしてしまいます。
また便通が良くなることで、一時的、短期的にみた場合、おならの頻度が増えてしまうこともあります。
そのため、ガスの量を増やしたくない、と野菜や果物の摂取を減らしてしまう方がいます。
ところが、野菜や果物の摂取量が増えないと、根本的な改善ができず、長期的にみると、ますます悩みを深刻化させてしまうことにもなりかねません。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
特に下痢が続くと、体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
また、食物繊維をとっても、摂取する水の量が少ないと、便秘を引き起こす原因にもなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
ジュースも多量の糖分によって、腸内細菌の状態が悪くなります。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、過敏性腸症候群の根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
症状を抱えたままにしていると、下腹部痛や下痢などのために外出が困難になり、通学ができなくなって将来就きたい仕事に就けなくなったり、やりたいことができなくなってしまう恐れがあります。
また、働いている方でも、仕事が続けられなくなるケースもあります。
ですが、過敏性腸症候群は引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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