過敏性腸症候群が再発してしまう原因とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 過敏性腸症候群が再発してしまった
- 一度は良くなった過敏性腸症候群が、今度は治らない
- 再発してしまったから、一生治らないのではないかと不安になっている
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群の方は、一度治ったと思っても、ストレスが強くかかるような時期になると、再発してしまうという方が少なくありません。
よく見られるのは、学生生活を送っている時は調子が良かったのに、受験や就職活動をするようになってストレスを感じ、再発してしまったケースです。
一度は良くなっていたのに再発してしまうことでショックを受け、治りきることはないのではないかと、強い不安を感じてしまう方も多くいます。
なぜ、過敏性腸症候群は再発してしまうのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
過敏性腸症候群が再発してしまう原因とは?
一度慢性化すると治りにくい過敏性腸症候群ですが、症状の程度が軽い方や、発症して間がなく慢性化していない方であれば、一時的に強くなっていたストレスが軽減されることで症状が改善していくことは珍しくありません。
また、症状の程度が軽ければ、薬で症状を抑えていて、無症状のまま過ごすことも可能かもしれません。
ですが、症状が出なくなることと、過敏性腸症候群の根本原因が解決しているかは、別問題です。
多くの方は、症状が出なくなると体の不調を感じないため、すべての問題が解決されたと思ってしまいます。
しかし、実際には引き起こしている根本原因は解決されないままになっています。
そのため、ストレスを強く受けたり、疲れや体調不良などによって、体の調子が悪くなった時、再発してしまいます。
では、過敏性腸症候群を引き起こす根本原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
過敏性腸症候群を引き起こす3つの根本原因
過敏性腸症候群を引き起こす主な根本原因は、次の3つです。
1.腸内環境の悪化
この数年の研究では、過敏性腸症候群を引き起こす大きな要因の一つとして、腸内細菌叢の割合が関係していることが分かっています。
(『腸内細菌と過敏性腸症候群』 著:福土 審 2015)
たとえば便秘型では、腸内細菌の悪玉菌の割合が高くなることで腸の蠕動運動が低下したり、ガス型の方では小腸に細菌が異常繁殖し、多量のガスを作ります。
そして、腸内環境は、日々の食事の影響を大きく受けます。
毎日の食事で腸に負担をかけてしまうと、症状を悪化させてしまいます。
ファーストフードやスナック菓子、冷凍食品を頻繁に食べていたり、外食が多くなっているような食生活は、腸内環境を悪化させ、過敏性腸症候群の発生、悪化させる原因になります。
また、腸内環境を整えてくれる食物繊維の平均摂取量が、過敏性腸症候群の多くみられる10~20代には少ないことが分かっています。
(『平成22年国民健康・栄養調査結果の概要」厚生労働省)
2.不良姿勢による自律神経の乱れ
胃や腸といった内臓の働きは、主に自律神経によって調整されています。
自律神経が乱れることで、腸の働きが過剰になったり、働かなくなることで、過敏性腸症候群を引き起こす原因になります。
自律神経は興奮したときに働く「交感神経」と、リラックスしたときに働く「副交感神経」に分かれます。
交感神経が働いたり、副交感神経が働いたりすることで、内臓の働きを調整しています。
その自律神経が乱れる大きな要因として、猫背などの不良姿勢と、ストレスの影響があります。
骨盤や骨格のバランスが崩れ、姿勢が悪くなると、脳から背骨の中を通って全身に走っている自律神経が圧迫を受け、バランスが乱れてしまいます。
スマホやタブレット、パソコンを長時間使用する方が増えたことで、姿勢が悪くなり、自律神経の乱れを引き起こしているケースがよくみられます。
3.ストレス
ストレスを感じると、人の体は交感神経が優位になって、問題に対処しようとします。
本来、ストレスによる自律神経の変化は一時的なもので、問題が解決されると自律神経もすぐにバランスを戻そうとします。
しかし、長期間のストレスや強いストレスを受けると、バランスを調整する機能に異常が起こり、交感神経が常に働いたり、副交感神経が常に働くようになったりして、内臓の働きに影響を与えます。
また、脳と腸は深い繋がりがあり、ストレスを感じると腸内環境が乱れ、腸内環境が乱れると、ストレスを感じやすくなります。
逆に腸の状態が良くなれば、ストレスにも耐性ができ、腸内環境も乱れにくくなります。
このような良い方向にも悪い方向にも循環する脳と腸の関係を「脳腸相関」といいます。
再発する過敏性腸症候群への対策とは?
過敏性腸症候群が再発してしまう方は、これらの根本原因を抱えてしまっています。
一度乱れてしまった自律神経を、自分で整えることはとても難しいことです。
そのため、ご自分でできる対策として取り入れやすい方法は、日々の食事内容を見直し、胃腸への負担を減らすことです。
食事に気を付けて腸の状態が良くなれば、腹痛やおならといった症状が落ち着き、痛みや不調によるストレスが軽減されます。
腸でのセロトニンやドーパミンといった快楽ホルモンの量も増えるため、ストレスのコントロールがしやすくなります。
そして状態が良くなれば、運動や趣味などできることも増えるため、ストレス対策も容易になっていきます。
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やしたり、消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけてしまいます。
また、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やし、腸内環境が悪化するため、食べすぎは過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまいます。
野菜や果物は、消化に優しいため、胃腸への負担を減らすことができます。
また、食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
意識して野菜や果物の食べる比率を高めてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
また、過敏性腸症候群の便秘型の方は、水の摂取量の少ないケースがよくみられます。
下痢型の方でも、下痢が続くと体内の水分が出てしまうため、脱水症状になりやすくなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、安心して毎日を過ごすために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
便秘や下痢、おならといった腸の不調だけではなく、めまいや吐き気など、さまざまな不調を引き起こす原因にもなる症状です。
症状を抱えたままにしていると、外出が困難になります。
通学ができなくなって将来就きたい仕事に就けなくなったり、やりたいことができなくなってしまう恐れがあります。
また、働いている方でも、仕事が続けられなくなるケースもあります。
一度症状が再発してしまうと、もう治らないのではないかと不安に感じてしまうかもしれません。
ですが過敏性腸症候群は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の取り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
そして一日も早く、不調に悩まされず、安心して毎日を過ごせるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
関連記事 こちらもおススメです。合わせてお読みください
前の記事を読む
→過敏性腸症候群の方が機能性ディスペプシアを併発しやすい原因とは?
次の記事を読む
→過敏性腸症候群の方が寒気を感じる原因と、その対策とは?
創輝(そうき)鍼灸整骨院
〒558-0003
大阪府 大阪市住吉区 長居3-2-3-1F
受付時間:午前 9:00~13:00
午後16:00~20:00
(定休日:土曜日午後・日曜・祝日)
> 詳しい道順はコチラ