なぜ胃下垂だと貧血になりやすいのか?その3つの原因とは?
あなたはこのようなお悩みはありませんか?
- 貧血が鉄剤を飲んでも改善せず、どうすれば良いか分からない
- 寝起きや立ち上がった際にフラフラして怖い
- 睡眠不足や疲れがあると、すぐに貧血が起きてしまう
- 胃下垂のせいで胃の調子がいつも悪い
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
下垂することで胃の機能が低下してしまい、胃痛や胃もたれといった症状を引き起こします。
胃下垂は胃の不調だけではなく、全身の様々な不調を引き起こす引き金にもなってしまう症状で、貧血もその内の一つとしてよくみられます。
胃下垂による貧血に悩まされている方は、血液検査の結果ヘモグロビン量が低く、鉄分が足りないと分かると、食事に気を付けたり、鉄剤を飲んだりと対策を取るのですが、それでもあまり改善がみられないというケースがよくみられます。
当院に来院している患者さんでも、胃下垂だけではなく貧血に悩んでいるという方が少なくありません。
すぐに立ちくらみがしてしまったり、睡眠不足や疲れがあると貧血を起こしやすかったりと、日常生活に支障をきたしている方もいます。
貧血はフラフラ感や、チカチカと星が見えたり、耳鳴りや寒気などの症状に襲われる非常に不安になってしまう症状です。
なぜ胃下垂だと貧血が起きやすいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
(注:貧血には種類が多くありますが、今回はもっとも多くみられる鉄欠乏性貧血について書かれた記事です)
胃下垂だと貧血になりやすい原因とは?
貧血で最も多くみられるのが鉄欠乏性貧血です。
女性の貧血の約7割が鉄欠乏性貧血だと言われています。
これは血液の成分の中でも、酸素を運ぶ役割をしている赤血球のヘモグロビンの量が不足することで起こります。
胃下垂だと貧血になりやすい原因は、次の3つがあります。
1.胃が下垂することで、消化不良を起こすから
貧血に影響を与える赤血球(ヘモグロビン)の主な材料は「鉄分」と「タンパク質」です。
胃下垂の方は、胃が下垂することで、消化の働きが低下してしまいます。
消化不十分な状態で腸に食べた物が送り込まれることで、十分な栄養の吸収が行われず、貧血を引き起こす原因となります。
2.胃炎によって必要な栄養素が取れないから
体が十分な血液を作るためには、ビタミン12や葉酸という栄養素も欠かせません。
この2つの栄養素の吸収には、胃から出る吸収因子が大きく関係しています。
ところが、胃下垂によって胃の機能が低下したり、胃炎を引き起こしてしまうと、胃の粘膜が弱ってしまい、吸収因子が十分な量を出せなくなってしまいます。
その結果、血液を作るのに必要なビタミン12や葉酸が不足してしまい、貧血を引き起こしてしまいます。
3.胃潰瘍によって微量出血が起こるから
胃下垂の方にみられる症状の一つに、胃酸過多による胃潰瘍があります。
症状が軽度のものであっても、微量な出血が起こることで、血液が失われ、貧血を起こしてしまいます。
胃下垂による貧血は、これら3つの原因によって引き起こされます。
特に女性の場合は、生理による出血と合わさることで、より貧血が起こりやすい状態になってしまいます。
では、これらの原因に対して、どのような対策が取れるでしょうか?
胃下垂からくる貧血への対策とは?
胃にトラブルを抱えていない方の鉄欠乏性貧血は、鉄剤を飲んだり、タンパク質を多めに取ることで改善していきます。
ところが、胃下垂によって引き起こされている貧血は、胃下垂自体を改善する必要があります。
胃下垂を引き起こす主な原因には、姿勢によるもの、ストレスによるもの、自律神経の乱れによるものなどがあります。
良い姿勢を心がけることは、胃下垂以外にも体にとって良いことです。
ですが、悪い姿勢が癖づいてしまっているために、骨格の調整などを行わないと、良い姿勢を取っても一時的なものになってしまいがちです。
また、自律神経の乱れを自力で改善することも、難しい問題ですし、ストレスが原因だと分かっても、実際にストレスを感じずに生活できる人はごく少数の方に限られてしまいます。
そのため、胃下垂でお悩みの方がご自身で取り入れやすい貧血対策としては、次の食事に関する3つがあります。
1.お肉や脂ものの比率を減らし、胃の負担の少ない食材を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃への負担が大きくかかります。
鉄分やタンパク質をとろうと、お肉を積極的食べると、胃に負担をかけてしまい、逆に貧血を悪化させる要因にもなりかねません。
適度に食べるのは良いことですが、貧血を良くするために、積極的に食べるのはおすすめしません。
タンパク質をとるなら、胃の負担を減らしつつとれる植物性のもの(大豆製品など)がおすすめです。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、腸にも良い効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.よく噛んで消化を助ける
胃の働きは、胃酸で食べ物を消化するだけではなく、食べ物を胃の中で撹拌し消化しやすくしたり、腸へと食物を送り出す働きがあります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化を助け、また腸への移動もしやすくなり、胃への負担を減らすことができます。
3.水の摂取量を増やす
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
お水を飲む量が少なく、コーヒーやお茶などを水分補給と考えている方が多くいます。
コーヒーやお茶の摂り過ぎは、カフェインによって胃を荒らしたり、利尿作用で体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水ですることが重要です。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃に負担をかける恐れがあるので、胃の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
まずはこれら3つの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも貧血予防に十分な効果を得ることができます。
ただ、胃下垂の方の貧血は、多くは程度がきつく、自力だけでの対策では、なかなか改善されない傾向があります。
もし、これらの対策を行っても効果がみられない場合は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
胃下垂からくる貧血に悩まされないために
一般的に胃下垂は良くなりにくい症状だと言われています。
そして貧血は、一度引き起こされるとしばらく動けなくなったり、時には倒れてしまうようなつらく不安を引き起こす症状です。
どちらも色々な対策を取っても根本的な改善は見られづらく、治らないのではないか、と諦めかけている方も多くいます。
ですが、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で取れる対策は取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、不安や疲れに悩まされない状態で過ごせるようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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