胃下垂は腹筋で本当に治るのか? 正しいやり方とは?
あなたはこのようなお悩みはありませんか?
- 胃下垂による胃痛や胃もたれ、下腹のぽっこりに悩んでいる
- 腹筋をいくらしても、胃下垂が良くならない
- 胃下垂のための腹筋の正しいやり方が分からない
下腹のぽっこりといった外見的な悩みから、胃もたれや胃痛などの不快な胃腸症状まで、胃下垂で悩んでいる方はとても多いです。
そんな胃下垂で悩んでいる方が、まずは自分の力だけで改善できないかと試すことはとても自然なことです。
胃下垂対策としては一般的な腹筋ですが、多くの方に効果が見られません。
効果の出る方と出ない方の違い、どんなやり方が正しいのか?
当院では病院、薬、サプリメントなど、様々な対策をしても改善が見られなかった方が多数来院しています。
ここではそれらの多くの治療経験から知り得た、実際に必要な知識をお伝えします。
まず自分が胃下垂かどうかを確認する
このページをご覧になっている方が、胃下垂だと思っているのは分かっています。
ですが、じつは胃下垂ではない可能性も高いのです。
- ・姿勢が悪く、骨盤が後傾していて腰が突き出てしまっている(下腹が出て見える)
- ・純粋に胃腸が悪い
といったケースがとても多いのです。
胃下垂かどうかを調べるには、専門家であれば打診法といって、お腹を特殊な叩き方をすると、音の響きで判別することができます。(素人の方は内臓に刺激を与えるのは避けてください。本当に良くありません)
また、レントゲンを立位で撮ることでも診断が可能です。
一般の方がカンタンに判断するには、食事の前後で水や食べものが溜まる感覚でわかる場合もあります。
正常な人の胃の位置をお伝えしておきます。
右手をグーにして、みぞおちの部分に手首を当てます。
おおよそコブシの部分が正常な胃の位置です。
これがヘソの辺りや、骨盤あたりにあれば、ほぼ間違いなく胃下垂です。
胃下垂が腹筋で治る理由と、治らない理由とは?
胃下垂だった方に、次は改善に重要な知識をお伝えします。
よくある失敗のパターンはつぎの2つです。
1.腹筋の鍛え方が間違っていたから
腹筋を鍛える時、この写真のような鍛え方をしていませんか?
ほとんどの方が、腹筋を鍛えようしたときに一番に思いつくやり方が、上の写真の『上体起こし』です。
多くの方が知っている上体起こし、実は胃下垂の対策としてはあまり効果的ではありません。
胃下垂を改善するのに必要なのは下腹部の筋肉です。
ところが上体起こしで鍛えられるのは、主に腹筋の上部です。
胃よりも上部の筋肉が引き締まることで、下垂を助長させてしまう可能性もでてしまいます。
また、体の前側ばかりが鍛えられることで、猫背になりやすく、胃下垂がひどくなってしまうケースもみられます。
腹筋を鍛えると一口に言っても、鍛えた方が良い筋肉や、鍛えるとかえって下垂を助長させてしまう筋肉があるため、適切なやり方を選ばないといけません。
特に上体起こしは最近の研究では実際の生活や運動にはあまり役に立たない・腰痛を引き起こすなどトレーニングとしてはは問題も多いやり方です。
具体的なやり方は、下で紹介します。
2.胃下垂を引き起こしている原因が腹筋と関係なかったから
腹筋の弱さは、胃下垂を引き起こす原因の一つでしかありません。
胃下垂を引き起こす原因は様々なものがあります。
- ・猫背などの姿勢不良
- ・自律神経の乱れによる胃の機能低下
- ・食事による胃腸への負担
- ・ストレス
- ・遺伝 など
これらの原因によって、胃下垂が引き起こされている方には、抱えている根本原因を解決する必要があります。
そのため、腹筋の弱さだけが原因で胃下垂を引き起こしていれば、比較的容易に改善されますが、別の原因を抱えている場合、改善がみられないという結果になってしまいます。
3.そもそも胃下垂ではなかったから
上述の通り、意外に思われるかもしれませんが、実は胃下垂だと思っている方のうち、少なくない割合の方が胃下垂ではありません。
ただ、胃下垂ではなくとも、胃の機能に問題が起こっていて、それが改善しないと深刻に悩んでいるケースがよくみられます。
慢性的な胃の不調に悩んでいたり、栄養の吸収が少なく痩せていて太れないなど、症状だけを聞くと胃下垂に似ているため、自分は胃下垂だと思い込んでいる方がいます。
胃下垂かどうかを判断するには、こちらのページをご覧ください。
このような3つの理由によって、胃下垂の方の腹筋による改善はみられにくくなっています。
腹筋の弱さが胃下垂を引き起こしていたケースの方が、適切に鍛えた場合に限り、胃下垂は腹筋で改善されます。
では次に、正しい腹筋のやり方とは、どのようなものがあるでしょうか。
胃下垂の方のための正しい腹筋のやり方とは?
腹筋にはお腹の表面にある『腹直筋』、奥にある『腹横筋』や『腹斜筋』があります。
下腹のぽっこりなどの症状を改善するには、腹横筋や腹斜筋と呼ばれる、お腹の奥の筋肉を鍛える必要があります。
鍛え方は次の2つがあります。
1.ドローイン
白取秀司『すべてのランナーへ 体幹トレーニングだけではタイムは削れない! P.31』
呼吸を吐きだした際に、お腹をへこませるトレーニングです。
仰向けでお腹の上に手を置き、細く長く息を吐きながら、お腹を凹ませます。
最後まで吐ききると、感覚が分かりやすいです。
一度感覚をつかむと、椅子に座った状態など、どこでも出来るようになります。
2.プランク
白取秀司『すべてのランナーへ 体幹トレーニングだけではタイムは削れない! P.30』
腹筋以外の体幹全体も鍛える効果があります。
両肘とつま先で体幹を支えます。
呼吸を止めず、腰が反らないように気を付けます。
(筋力がないうちはよく反ってしまいがちです)
10秒から30秒が目安です。
どちらも姿勢を支える筋肉を鍛えられるため、胃下垂を引き起こす原因の一つである、姿勢の改善にも役立ちます。
腹筋の頻度や期間は?
トレーニングは筋力が増加するのに最短で3日。
筋肉の量が増え始めるのに早くて2週間が必要と言われています。
トレーニングの必要な頻度には諸説ありますが、一般的には週2回は必要とされてます。
週に1回でも効果がないことはないので、どうしても忙しかったり、筋肉痛でつらいという方は、最初は週一でも構いません。
また、腹筋は血流が活発なため、毎日トレーニングしても大丈夫な場所です。
腹筋をしても改善しなかった方は、どうすれば良いか?
胃下垂を引き起こしている原因が腹筋以外にもあった場合は、いくら鍛えても改善がみられないことになってしまいます。
胃下垂を引き起こす主な原因には、姿勢によるもの、ストレスによるもの、自律神経の乱れによるもの、食事による胃腸への負担などがあります。
ただ、胃下垂は自力ではなかなか改善がみられにくい症状です。
悪い姿勢が癖づいてしまっていると、骨格の調整などを行わないと、良い姿勢を取っても一時的なものになってしまいがちです。
また、自律神経の乱れを自力で改善することも、難しい問題ですし、ストレスが原因だと分かっても、実際にストレスを感じずに生活できる人はごく少数の方に限られてしまいます。
そのため、胃下垂でお悩みの方がご自身で取り入れやすい対策としては、次の食事に関する3つがあります。
1.お肉や脂ものの比率を減らし、胃の負担の少ない食材を増やす
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃への負担が大きくかかります。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、腸にも良い効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.よく噛んで消化を助ける
胃の働きは、胃酸で食べ物を消化するだけではなく、食べ物を胃の中で撹拌し消化しやすくしたり、腸へと食物を送り出す働きがあります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化を助け、また腸への移動もしやすくなり、胃への負担を減らすことができます。
3.水の摂取量を増やす
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
お水を飲む量が少なく、コーヒーやお茶などを水分補給と考えている方が多くいます。
コーヒーやお茶の摂り過ぎは、カフェインによって胃を荒らしたり、利尿作用で体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水ですることが重要です。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃に負担をかける恐れがあるので、胃の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
胃下垂を良くして、不調に悩まされないために
まずはこれらの対策を取り入れてみてください。
胃下垂の程度の軽い方であれば、これらの対策だけでも、十分に効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・胃下垂の症状が慢性化していて、薬などでは効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、猫背などの不良姿勢の改善や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
胃下垂はそのままにしておくと、下腹ぽっこりなどの見た目の問題だけではなく、様々な体の不調を引き起こします。
そのため、ひどい肩こりや慢性的な疲労、重い生理痛などによって、深刻に悩んでいる方が少なくありません。
また、一般的に胃下垂は良くなりにくい症状だと言われています。
ですが、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、胃下垂は決して良くならない症状ではありません。
腹筋のトレーニングや食事の摂り方といったご自身で取れる対策は取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、不安や疲れに悩まされなず過ごせるようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
関連記事 こちらもおススメです。合わせてお読みください
前の記事を読む
次の記事を読む
創輝(そうき)鍼灸整骨院
〒558-0003
大阪府 大阪市住吉区 長居3-2-3-1F
受付時間:午前 9:00~13:00
午後16:00~20:00
(定休日:土曜日午後・日曜・祝日)
> 詳しい道順はコチラ