なぜ胃下垂だとガスが溜まるのか? その原因と対策とは?
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
下垂することで胃の機能が低下してしまい、胃痛や胃もたれといった症状を引き起こします。
また、胃の不調だけではなく、太れない問題や、冷え性、肩こりなど全身の様々な不調を引き起こす引き金にもなってしまう症状です。
胃下垂の方にみられる症状として、ガスが溜まるというものがあります。
特に多くの方が気になるのが、食後おなかが張って仕方がなく、ガスが溜まった感じがするという症状です。
仕事中や学校の授業中など、ガスが溜まっても気軽にトイレに抜け出すことができず、お腹が気になって何も手につかないと困ってしまう方も少なくありません。
また、ガスが溜まりそれを体が吸収してしまうことで、口臭や体臭がでるようになってしまうというケースもみられます。
このように生活に大きな支障をきたしてしまうガスが溜まるという問題ですが、なぜ胃下垂だとガスが溜まりやすいのでしょうか?
胃下垂だとガスが溜まりやすい原因とは?
胃下垂によってガスが溜まるパターンは、大きく分けて2つあります。
1つは腸にガスが溜まるもの、もう1つが胃にガスが溜まるものです。
多くのケースでは、どちらか一方だけが起きています。
ただ、胃腸の状態の悪い方では、両方起きているケースもあります。
1.胃下垂で腸の働きが落ち、便通に異常が出るから
胃下垂の方の多くは、同時に腸の状態も悪くなってしまっています。
下垂した胃が圧迫することで、腸の動きが妨げられることと、圧迫により血流やリンパの流れが悪くなって、腸の機能が低下するためです。
働きが悪くなった腸は、排泄する機能が低下し、便秘になったりガスを溜めてしまうようになります。
2.胃で消化不良を起こし、食べ物がガスが発生するから
胃下垂によって消化不良が起こると、腸ではなく胃にガスが発生するケースもみられます。
胃下垂になると食べ物を消化する能力と、消化した食べ物を腸に送る能力が低下してしまいます。
すると、胃の中に溜まった食べ物が胃酸によって発酵してしまい、ガスを発生させます。
これら二つの原因によって、胃下垂の方はガスが溜まってしまいます。
どちらにも共通するのが、食後におなかが張りやすい、発生したガスによって体臭やげっぷ(口臭)、おならといった臭いの問題が起きるというものです。
では、これらの原因に対してどのような対策を取ることができるでしょうか?
胃下垂でガスが溜まりやすい方への対策とは?
胃下垂の方がガスが溜まることで悩まされる根本的な原因には、胃が下垂することで胃や腸の機能が低下することにあります。
胃下垂の対策としてご自身が取り入れやすいものには、次の3つがあります。
1.お肉や脂ものの比率を減らし、胃の負担の少ない食材を増やす
普段何を食べるかは、胃の負担を考えると、大切な問題です。
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃に負担が大きくかかります。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、腸にも良い効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.よく噛んで消化を助ける
胃の消化を助け、吸収を良くするためには、よく噛むことが効果的です。
食べ物が小さく噛み砕かれることで胃酸の消化を助け、胃の中で撹拌しやすくなったり、腸に送り出しやすくなります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化を助け、胃への負担を減らしてください。
3.水の摂取量を増やす
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
お水を飲む量が少なく、コーヒーやお茶などを水分補給と考えている方が多くいます。
コーヒーやお茶の摂り過ぎは、カフェインによって胃を荒らしたり、利尿作用で体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水ですることが重要です。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃に負担をかける恐れがあるので、胃の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
胃下垂を良くして、ガスが溜まりやすい不調に悩まされないために
まずはこれら3つの対策を取り入れてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、猫背などの不良姿勢の改善や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
胃下垂はそのままにしておくと、胃だけではなく様々な不調を引き起こします。
そのため、ひどい肩こりや慢性的な疲労、重い生理痛などによって、体の不調に深刻に悩んでいる方が少なくありません。
また、ガスが溜まるという症状では、臭いの問題のために気にし過ぎてしまい、人と接するのに支障が出てします方もいます。
一般的に胃下垂は良くなりにくい症状だと言われています。
ですが、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方などご自身で取れる対策は取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、胃下垂に悩まされず過ごせるようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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