なぜ胃下垂だと肩こりが慢性化してしまいやすいのか?
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
下垂することで胃の機能が低下してしまい、胃痛や胃もたれといった症状を引き起こします。
胃下垂の方に多くみられる症状の一つに、慢性的な肩こりがあります。
胃下垂の方の肩こりの特徴は、程度がきついことが多く、慢性的でなかなか良くならないということです。
マッサージをしてもストレッチをしても良くならず、一時的に楽になったと思っても、すぐに戻ってしまう。
肩こりが何年も続いていて、いつも胃もたれや胃痛といった胃の不快な症状もあり、痛みや不調のない快適な状態で過ごしたのは、いつ以来だろうか、というような悩みを抱えている方が少なくありません。
じつは、胃下垂と肩こりには密接な関係があります。
なぜ胃下垂の方は、慢性的な肩こりに悩まされやすいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
胃下垂と肩こりに共通した原因とは?
1.猫背などの姿勢の問題
胃下垂を引き起こす原因の一つに、猫背などの姿勢の問題があります。
前屈みの姿勢が続くと、上半身の重さが体の前側にかかり続けるため、胃を上から圧迫し、胃を下垂させる原因となります。
姿勢の問題は、肩こりの大きな原因でもあります。
人の頭の重さは、体重の約8%ほどあり、一般的な女性で約4キロ、男性で約5キロもあります。
その頭が前に突き出ると、それを支えようとする首や肩の筋肉への負担は増大し、常に緊張し続けることになり、慢性的な肩こりの原因になります。
頭の位置が正しい場所からたった3センチ前に移動するだけで、首肩への負担は2倍になることが分かっています。
2.自律神経の乱れやストレスの問題
慢性的なストレスや、強いストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
自律神経は無意識に内臓の働きを調整しているため、自律神経が乱れると、内臓の働きが低下し、胃下垂を引き起こす原因となります。
同時に、ストレスは肩こりを引き起こす大きな原因でもあります。
ストレスを感じると、人の体はこわばり、筋肉を緊張させてしまいます。
また、胃の不快な症状によってストレスを感じるため、体の不調が増し、それをストレスに感じるという悪循環を起こしている方も多くみられます。
胃下垂が肩こりへ与える影響とは?
1.血流やリンパの流れが悪くなる
胃が下垂することで、胃の働きが低下します。
また、下垂した胃に圧迫を受けて、腸をはじめとした他の内臓も働きが低下したり、内臓下垂を引き起こしてしまいます。
内臓には血管やリンパ節が密集しているため、内臓の働きが低下すると、血流やリンパの流れが悪くなります。
その影響は全身に及び、肩の血流やリンパの流れも悪くなることで、肩こりを引き起こします。
2.内臓が疲労すると、関連痛が起こる
内臓と筋肉は神経によって関連しあっています。
胃が疲労し、痛みなどをあると、脳に指令を送ります。
その際に、関連した場所にも痛みを感じるといった関連痛が生じます。
慢性的に胃の状態が悪い方は、特に左の背中から肩首にかけてのこりを感じやすくなっています。
これらの原因によって、胃下垂の方は慢性的な肩こりに悩まされやすい状態になっています。
胃下垂の方が肩こりを良くするために、マッサージより大切なこととは?
胃下垂による肩こりでお悩みの方は、肩だけではなく、胃下垂や胃の不調を良くすることが非常に重要です。
肩こりに悩んでいる方の多くがマッサージを受けたり、ストレッチをしたりといった、肩への対処を行っています。
その時は楽になるかもしれませんが、上で挙げた原因が解消されないと、すぐに肩の緊張は戻ってしまいます。
そのため、胃下垂の方の慢性的な肩こりは、胃の状態自体を良くすることが解消するために、先決になっています。
胃下垂の方の慢性的な肩こりへの対策とは?
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃への負担が大きくかかります。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、胃にも腸にも良い効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.よく噛んで消化を助ける
胃の消化を助け、吸収を良くするためには、よく噛むことが効果的です。
食べ物が小さく噛み砕かれることで胃酸の消化を助け、胃の中で撹拌しやすくなったり、腸に送り出しやすくなります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化を助け、胃への負担を減らしてください。
3.水を積極的に飲む
胃腸を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
コーヒーやお茶の摂り過ぎは、カフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水ですることが重要です。
男性なら2~2.5リットル、女性でも1日に1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすことは、胃に負担をかける恐れがあるので、胃の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
胃下垂からくる肩こりを防ぎ、不調に悩まされないために
まずはこれら3つの対策を取り入れてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、猫背などの不良姿勢の改善や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
胃下垂はそのままにしておくと、胃だけではなく様々な不調を引き起こす要因になります。
そのため、冷え性や便秘、慢性的な疲労など、肩こり以外にも様々な不調でお悩みの方が少なくありません。
また、一般的に胃下垂は良くなりにくい症状だと言われています。
ですが、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
一日も早く、胃下垂からくる肩こりを良くし、不調に悩まされず毎日を過ごせるようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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