胃下垂の方が大食いすることは、体に問題ないのか?
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
下垂することで胃の機能が低下してしまい、胃痛や胃もたれといった症状を引き起こします。
胃下垂は胃の不調だけではなく、全身の様々な不調を引き起こす要因にもなってしまう症状です。
胃下垂の方の食事の量は、二つに分かれます。
一方は食べたくても量が食べられず、すぐに満腹になったり、食後にお腹が苦しくなってしまうケース。
そしてもう一方が、痩せの大食いの言葉のような、非常に量を食べるケースです。
食べれないケースは胃の機能の低下などの原因によって引き起こされています。
ではなぜ、大食いのケースはたくさんの量の食事が取れるのでしょうか?
また、大食いをすることは、体に何も問題はないのでしょうか?
胃下垂の方が大食いできる理由
1.胃の容量が大きくなっているから
胃は食べ物が胃に入っていないときは縮まり、食べ物が入ると広がります。
縮んでいるときにはわずか50ミリリットルにまで小さくなりますが、大きくなると最大では2リットルにもなります。
小さいときには栄養ドリンクのビンぐらいに、大きいときには2リットルのペットボトルぐらいにまで大きさが変化します。
胃の広がる大きさは、普段の食べる量や体の大きさによっても変わります。
そして胃下垂の方は、胃が垂れ下がった状態になっているため、胃の容量が正常な方に比べて大きくなっているため、多量の食事を取ることができます。
2.満腹感が感じにくくなっているから
通常、食べすぎを防ぐため、胃が食べ物によって広がると、食べ物がどれぐらい入っているのかという信号が、脳に届くことで満腹中枢が働きだします。
ところが、胃下垂の方は普段から胃が広がっている状態であり、食べ物で一杯になっても、脳に信号を発信しにくい状態になっています。
そのため、胃のなかに食べ物が溜まっていても、満腹感を感じにくく、大食いできてしまいます。
また、胃下垂の方は食事の噛む回数が少ないことも多く、これも満腹感を感じることを遅らせるため、大食いに影響を与えています。
胃下垂で太りたい方が大食いすることは効果的?
胃下垂の方は、自分の痩せた体型を改善したいと思って、無理をして大食いをしているケースもあります。
ですが、胃下垂の方の場合は、胃腸を疲れさせて栄養の吸収する力が低下し、効果が期待できません。
まずは胃腸を活発に働かせ、食べた物の栄養をしっかり吸収できるようにする必要があります。
詳しくは、『胃下垂の方が太るために、プロテインは有効なのか?』という記事に、吸収しづらい原因と、その対策について書いているので、そちらをご覧ください。
胃下垂の方が大食いすることによる体への影響
胃下垂の方は大食いできるからと言って、体に負担がかからないわけではありません。
大食いを続けていると、消化を行っている胃腸を酷使し、内臓疲労を招いてしまいます。
胃痛や胃もたれといった症状はもちろん、胃腸の働きが悪くなると、その影響は他の内臓にも及ぶようになります。
その結果、血液やリンパの流れが悪くなったり、肝臓や腎臓といった解毒をしている働きにも悪影響を与えます。
そのため、大食いが原因とは気づかず、全身の冷えや慢性疲労、肩こり、内臓疾患といったいろいろな症状を引き起こす要因となります。
胃下垂で大食いしてしまう方の対策とは?
胃下垂の方は、胃が下垂することで自然と多くの量を食べられる状態になっています。
ですが、必要以上の量を食べ続けることは、体に大きな負担をかけてしまいます。
満腹感を感じにくいために大食いになってしまっている場合には、次の2つの対策を取ってください。
1.よく噛んで消化を助ける
噛む回数が多いと、脳の咀嚼中枢という部分が刺激されることで、満腹感を感じやすくなります。
また、胃の消化を助け、吸収を良くするためには、よく噛むことが効果的です。
食べ物が小さく噛み砕かれることで胃酸の消化を助け、胃の中で撹拌しやすくなったり、腸に送り出しやすくなります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化を助け、胃への負担を減らしてください。
2.野菜や果物を積極的に食べる
胃腸に負担をかけず満腹感を得るには、食事での野菜や果物の比率を高めることが効果的です。
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃への負担が大きくかかります。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、胃にも腸にも良い効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
胃下垂による大食いを防ぎ、不調に悩まされないために
まずはこれらの対策を取りいれてください。
大食いの習慣が短い方は、これらの対策で十分な効果を得ることができます。
ですが、すでに上記の対策を取り入れていても大食いが解消されず、不調にお悩みの方は、猫背などの不良姿勢の改善や、自律神経のバランスの調整など、胃下垂を引き起こす根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
胃下垂はそのままにしておくと、胃だけではなく様々な不調を引き起こす要因になります。
また、一般的に胃下垂は良くなりにくい症状だと言われています。
ですが、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
一日も早く、胃下垂による大食いを防ぎ、不調に悩まされないようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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