過敏性腸症候群と睡眠の深い関係とは?
あなたは、このようなお悩みはありませんか?
- 過敏性腸症候群になってから、ぐっすり眠れないなど睡眠にまで影響が出ている
- 睡眠不足が続くと過敏性腸症候群がひどくなる
- 寝れない、過敏性腸症候群がひどくなる、余計に寝れないの悪循環になっている
過敏性腸症候群(IBS)は、病院で腸の検査や血液検査を受けても、炎症や潰瘍といった明確な原因が認められないにも関わらず、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛などの症状が現れる疾患です。
慢性化する方が多く、治りにくいのも特徴です。
過敏性腸症候群と関係が深いものに、睡眠があります。
ぐっすりと眠ることが、健康にとても大切であることは、多くの方が分かっています。
ですが、分かっていても十分な睡眠の時間や質を取れていない方が多くいます。
睡眠の時間が短くなったり、睡眠の質が低下すると、過敏性腸症候群の症状が悪化してしまいます。
また、お腹の調子が悪くなると、睡眠の質が低下してしまい、寝たくても寝れない、ようやく眠れたと思ったら途中に何度も目が覚めてしまうなど、睡眠障害になってしまう方もいます。
睡眠と腸はお互いに影響を与えていて、好循環にも悪循環にもなってしまいます。
過敏性腸症候群と睡眠には、どのような関係があるのでしょうか?
また、どのような対策を取ることができるのでしょうか?
睡眠不足で過敏性腸症候群が悪化する3つの要因
1.内臓が休まらないから
睡眠時は、体の細胞が回復する時間です。
起きている間、食べものの消化や栄養の吸収、毒素の排泄など、内臓は様々な働きをしていて、夜には疲労しています。
睡眠時には内臓の活動も最小限になり、次の日に備えて組織を回復させています。
ところが、睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると、十分に内臓が回復できません。
その状態で普段通りに活動すると、内臓が十分に働けないため、負担がかかり、より疲れが溜まった状態で夜を迎えるという悪循環になってしまいます。
2.腸から睡眠を調整する物質やホルモンが作られるから
睡眠に大きく関係しているのが、「トリプトファン」という物質と、「メラトニン」「セロトニン」というホルモンです。
腸が食べ物を分解して、トリプトファンという物質を作りだします。
このトリプトファンが、同じく腸で作られているセロトニンというホルモンとくっつくことで、眠気を催すメラトニンが作られます。
腸の状態が悪くなると、これらの量が減ってしまい、眠気を感じにくく、また睡眠の質も下がってしまいます。
そして、睡眠不足に陥ると、腸の状態が悪くなり、ますますこれらの量が減るという悪循環になってしまいます。
3.脳がストレスに過敏になるから
ストレスが過敏性腸症候群の主な原因であることは、多くの方が知っています。
実は睡眠が不足すると、不安や恐怖といった感情を司る脳の「扁桃体」と呼ばれる部分が活発に働き、ストレスを非常に感じやすくなります。
(『睡眠負債は扁桃体-前帯状皮質間の機能的結合の減弱を介して,ネガティブな情動反応を惹起する』:三島和夫 国立精神・神経医療研究センター)
ストレスを感じると、腸の筋肉が過剰に緊張してしまい、蠕動運動に異常をきたし、腹痛を引き起こしたり、下痢やおならといった症状を引き起こします。
また、強いストレスや長期間のストレスによって腸の状態が悪化すると、気分を安定させるセロトニンや、幸福を感じるドーパミンなど、メンタルに影響するホルモンの量が減ります。
そのため、よりストレスを感じやすくなり、不安神経症やうつ病などに悪化するケースもみられやすくなってしまいます。
このように、腸と睡眠、メンタルが密接に関係しあっているため、睡眠不足は過敏性腸症候群を悪化させる原因となります。
過敏性腸症候群の方の睡眠への対策
過敏性腸症候群の方は、睡眠が大事だと分かっても、なかなか寝付けないという方が多くいます。
眠気を促すホルモンの量を増やすためにも、腸への負担を減らし、活発に働かせることが重要です。
自分で実践しやすい過敏性腸症候群の対策は、食事を見直して腸の環境を良くすることです。
食事に気を付けることで腸の状態が良くなれば、腹痛やおならといった症状が落ち着き、痛みや不調によるストレスが軽減されます。
腸でのセロトニンやドーパミンといった快楽ホルモンの量も増えるため、睡眠だけではなく、ストレスのコントロールが効きやすくなります。
1.野菜や果物を積極的に食べる
お肉や脂ものの多い食事は、消化に時間がかかるため、胃腸への負担が大きくかかります。
また、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を増やしてしまいます。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、消化にかかる時間も短くすむため、胃腸に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.インスタント食品やジャンクフードなどの食べる頻度を減らす
身近に出回っている食品の中には、腸に良くない影響を与えるものが多くあります。
代表的なものがインスタント食品やジャンクフード、冷凍食品などです。
これらは便利ですし、また美味しいと感じやすいものでもあります。
ですが、食品添加物や化学調味料、酸化した油や防腐剤などは、胃に負担をかけ、腸内環境を悪化させてしまいます。
これらの利用する比率を極力下げることで、腸の状態を良くすることができます。
3.水をしっかり飲む
胃腸をはじめとした内臓を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
特に下痢が続くと、体内の水分が出てしまうため、脱水症状にもなりやすくなってしまいます。
また、食物繊維をとっても、摂取する水の量が少ないと、便秘を引き起こす原因にもなってしまいます。
1日に男性なら2~2.5リットル、女性でも1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーや紅茶はカフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまい、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
ジュースも多量の糖分によって、腸内細菌の状態が悪くなります。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水でとるようにしてください。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすと、胃腸に負担をかける恐れがあるので、体の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
過敏性腸症候群に悩まされず、ぐっすりと睡眠を取るために
まずはこれらの対策を取りいれてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでも症状でお悩みの方
は、姿勢の調整や、自律神経のバランスの調整など、過敏性腸症候群の根本的な原因に対する治療を受ける必要があります。
過敏性腸症候群は生活に支障をきたしやすい症状です。
症状を抱えたままにしていると、下腹部痛や下痢などのために外出が困難になり、通学ができなくなって将来就きたい仕事に就けなくなったり、やりたいことができなくなってしまう恐れがあります。
また、働いている方でも、仕事が続けられなくなるケースもあります。
ですが、過敏性腸症候群は引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
食事の摂り方といったご自身で対策を取れるところは取り、それに加えて根本原因に対する治療を受けることをおすすめします。
一日も早く、過敏性腸症候群に悩まされず、ぐっすりと睡眠を取れるようになってください。
→つらい過敏性腸症候群の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の過敏性腸症候群の施術をご覧ください
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