TFCC損傷を悪化させないための2つの注意点とは?
TFCC損傷は、慢性化すると非常に治りづらい症状です。
病院や整骨院、整体など色々な所に通っても治らず、何年、時には何十年と手首の痛みに悩まされている方も少なくありません。
当院に来院されたMさんも、TFCC損傷に長年悩まされた患者さんです。
Mさんは40代の男性です。
長年市場で働かれていて、マグロの解体をされている職人さんです。
MさんがTFCC損傷に悩まされたのは、今から十五年前のことだと言います。
長く重いマグロ庖丁を一日使い続けるのは手首に大きな負担がかかります。
MさんはTFCC損傷になって以来、痛みに耐えながら、だましだまし使い続けてきました。
お仕事にも支障をきたすため、以前から治療を受けていましたが、長らく治ることはありませんでした。
病院を始め、鍼灸院や整骨院など、様々な所に通いました。
また、短期間の治療で諦めては判断できないと、一年間は信じて通い続けたりもしました。
ですが、どこに通っても、手首のひどい痛みが根本的に解消されることはありません。
「治したいとずっと思ってるんですが、どこに行っても良くなりません。毎日のことだし、痛みなく仕事がしたいです」
Mさんはどこか治る所があるはずだと、インターネットで色々と調べた結果、当院に来院することになりました。
問診や検査の結果、Mさんのお体の問題点が分かりました。
TFCC損傷は線維軟骨に傷があると多くの場合言われていますが、当院では手首周りの骨のバランスが崩れることが問題となって発症すると考えています。
ところがMさんの場合は、長年痛みに耐えながら無理をして使っていたために、手首だけでなく肘のバランスまで崩れてしまっていました。
関節のバランスが崩れることで、TFCCと呼ばれる手首の部分に常に強い圧力がかかるようになります。
当院では崩れた手首や肘の関節のバランスを整えました。
合わせて、Mさんには手首の使い方について、注意するポイントをお伝えしました。
痛い動作は仕事で仕方がないとはいえ、極力無理して使わないこと。
その日の調子が良いからといって、使い過ぎないこと。
関節のバランスの崩れが正しい位置へと整っていくにつれて、Mさんの手首の痛みはなくなっていきます。
お仕事でも長時間包丁を握っていられるようになり、無理なく仕事を続けられるようになりました。
「これまでどこに行っても治らなかったので、痛みなく使えて本当に嬉しいです」
Mさんは、楽になった手で包丁を握り、今日もマグロを解体していることでしょう。
TFCC損傷の悪化を予防するために
TFCC損傷は関節に突発的な強い力や、反復する長期的な負担がかかることで、関節が傷つき発症します。
安静にしたり、サポーターやテーピングで固定することも重要とされていますが、関節のバランスが崩れていると、手首に常に大きな負担がかかりやすくなってしまいます。
ほとんどの場合、関節のバランスはひとりでには整いません。
だからこそ、個人では負担をかけて関節のバランスを崩さないことが重要になってきます。
TFCC損傷を良くする上で、気を付けないといけない点がいくつかあります。
1つめは、痛い動作は無理して使わないということ。
痛みのある状態で、無理をして使い続けると、関節のバランスがより大きく崩れてしまいます。
Mさんのように、長年酷使を続けてしまうと、手首だけでなく肘のバランスまで崩れ、難治化しやすくなってしまいます。
仕事上避けられないようなケースもあるかもしれませんが、可能な限り、痛い動作は無理して使わないことが大切です。
2つめは調子が良いからといって、使い過ぎてしまわないことです。
調子の悪い時は、誰もが無理をさけようとします。
ですが、一時的に調子が良くなると、つい使い過ぎて、翌日に痛みがぶり返してしまう方が少なくありません。
一時的に痛くない状態と、安定して痛くない状態は別です。
関節のバランスが整いきるには、体に良い状態を覚えさせる必要があります。
TFCC損傷を悪化させず、少しでも早く良くするためには、この2点が重要です。
良くすることを考えるのも大切ですが、悪くさせないことも同じぐらい大切です。
当院でのTFCC損傷の治療を知りたい方は、コチラをご覧ください。
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