胃下垂が肌荒れの原因になる理由とは?
胃下垂は、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
胃下垂を引き起こす主な原因として、筋肉や脂肪が不足していて、胃をはじめとする内臓を正常な位置に保てないと言われています。
背が高く痩せている人に多く、胃が下垂することで機能が低下してしまいます。
また、胃の不調をはじめ、各内臓の不調を引き起こす引き金にもなってしまう症状です。
胃下垂を放っておくと、内臓全体の下垂を招き、年々全身の不調を引き起こす原因にもなってしまいます。
胃下垂の方によくみられる症状の一つに、肌荒れがあります。
多くの方が、スナック菓子やファーストフードといった食べ物が、肌の調子を悪くしてしまうという認識はお持ちでしょう。
これらの食べ物が問題になるのは、食べた物が胃や腸などの内臓に負担をかけてしまうためです。
「肌は内臓の鏡」という言葉があり、内臓の状態は肌の調子に大きな影響を与えます。
では、内臓と肌にはどのような関係があるのでしょうか?
どうして胃下垂だと肌荒れを起こしてしまうのでしょうか?
内臓の働きと肌荒れの関係
肌荒れに影響を与える主な内臓は、腸と肝臓の2つです。
1.腸
胃で消化された食べ物の栄養のほとんどが小腸で吸収され、一部のビタミンや水分が大腸で吸収されます。
また、体内の毒素のおよそ7割を、便として排泄する働きがあります。
腸の状態が悪くなると、必要な栄養が吸収できなくなり、また体に有害物質を溜めこみやすくなるため、肌荒れを引き起こす原因になります。
2.肝臓
肝臓は体内に入った有害物質の分解を行い、解毒をしています。
また、肌の主成分であるコラーゲンを作っているのも、肝臓の働きによるもので、その他にもビタミンの貯蔵も行っています。
肝臓の働きが落ちると、コラーゲンの生成機能が低下し、肌質が悪くなってしまうことに加え、有害物質の解毒作用が落ちてしまい、肌荒れを引き起こす原因になります。
また、肝臓はメラニンの発生を抑える働きもしているので、肝臓の働きが落ちると、シミやくすみができやすい状態になってしまいます。
では、なぜ胃下垂だと肌が荒れやすいのか、その理由について触れていきます。
胃下垂が肌荒れの原因になる理由
1.消化不良により、腸に負担がかかる
胃が下垂することで、胃の消化や食べ物をスムーズに移動する働きが低下してしまいます。
そのため、食べた物の消化が上手くいかず、腸にまで負担がかかってしまいます。
腸には、血管やリンパ節が密集しており、全身の血流やリンパの流れに関係しています。
胃下垂で腸にまで負担がかかることで、血流やリンパの流れが悪くなり、肌荒れの原因となります。
2.腸での毒素の排泄が上手くいかなくなる
胃が下垂することで腸を圧迫してしまいます。
圧迫を受けた腸は、活発に動くことができず、働きが低下してしまいます。
結果、蠕動運動が低下し、便を排出する力が落ちるので、毒素を溜めこみ肌荒れの原因となります。
3.肝臓に負担がかかり、毒素の分解機能が低下する
腸で毒素(便)の排泄に問題が起こると、スムーズに有害物質を排出することができず、体内に再吸収されてしまいます。
腸で吸収された毒素を分解するため、肝臓に負担をかけてしまいます。
これら3つの原因によって、胃下垂の方は肌荒れを起こしやすくなってしまいます。
胃下垂による肌荒れを改善するには、胃下垂自体を良くすることが一番の方法ですが、胃下垂を自分で改善することは困難です。
そのため、まずは胃に負担をかけない食事を摂ることで、腸や肝臓に負担をかけないことが大切です。
胃下垂による肌荒れにお悩みの方が自分でできる対策
自分でできる対策としては、先ほど紹介した原因の一つである腸の働きを活発にすることが重要です。
食事内容や食生活の問題を改善することで内臓の疲労を防ぐことができます。
特に気をつけてほしいのは、次の2点です。
1.野菜や果物を積極的に食べ、お肉や脂ものを減らす
お肉や脂ものの食事は、胃酸の分泌量を増やし、消化にも時間がかかるため、胃の負担の大きな食材です。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なく、胃の滞留時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、胃にも腸にも良い効果があります。
ところが、現代人の野菜の摂取量は平均293gで、目標量の350gを摂れている人はわずか33%しかいないと言われています。(厚生労働省の平成27年「国民健康・栄養調査」の結果より)
意識して食事に野菜や果物などを取りいれるようにしてください。
2.よく噛むことで消化を助ける
胃の蠕動運動による働きは、腸へと食物を送り出す役割に加えて、胃酸を食べ物と絡ませ、消化を助ける役割があります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また蠕動運動にも大きな力を必要とします。
よく噛むことで消化を助け、また腸への移動もしやすくなり、負担を減らすことができます。
胃下垂による肌荒れに悩まされないために
まずは食事の内容などの対策を取りいれていただくだけでも、十分に効果が見込めます。
ただ胃下垂によって、腸や肝臓に負担をかけているため、根本的な改善には、胃下垂自体を良くすることが不可欠です。
一般的に、胃下垂は良くなりにくい症状だと言われています。
ですが、胃下垂を引き起こしている姿勢の問題や自律神経の乱れ、内臓機能の低下といった原因を取り除いていけば、決して良くならない症状ではありません。
一日も早く、胃下垂による肌荒れに悩まされないようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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