なぜ胃下垂だとつわりに悩まされやすいのか?
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
下垂することで胃の機能が低下してしまい、胃痛や胃もたれといった症状を引き起こしてしまいます。
また、胃の不調だけではなく、肩こりや冷え性など全身の問題を引き起こす原因にもなってしまいます。
胃下垂の方の悩みの一つに、妊娠した際につわりがきついというものがあります。
つわりと言っても、症状のきつさや期間は人それぞれです。
胃下垂の方は、つわりによる吐き気がひどくて、まともに食事が取れなかったり、食後だけではなく一日中つわりに悩まされてしまっています。
また、非常に長期にわたりつわりに悩まされる方など、胃下垂によってつわりの症状がきつく悩んでいる方が少なくありません。
胃下垂の方は、なぜひどいつわりに悩まされやすいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
胃下垂だとつわりに悩まされやすい原因とは?
現代医学では、つわりの詳しい原因は特定されていません。
妊娠によるホルモンバランスの変化や、妊娠・出産への不安からくるストレスの影響、自律神経の乱れ、有毒物を体内に入れない防衛反応など、さまざまな関係が考えられています。
胃下垂の女性は、次の4つの原因も抱えているため、よりつわりに悩まされやすい状態です。
1.胃の状態が悪いから
あまり一般的には言われていませんが、もともとの胃の状態が悪いと、つわりに悩まされやすい傾向があります。
当院では多くの妊婦さんも来院されていますが、つわりのきつい方ほど、妊娠前から胃の不調を抱えているケースが大半です。
胃下垂の方は、胃が下垂することで、食べものを消化する力や、消化したものを腸に送る力が低下します。
そのため、胃下垂は胃酸過多や消化不良を起こし、胃痛や胃もたれなど、さまざまな不調を引き起こす原因になります。
胃の状態が悪いと、他の3つの原因の影響も受けやすく、つわりの症状が出やすくなってしまいます。
2.胃が過敏になってるから
胃下垂の方は、胃が過敏な状態になっています。
胃の中に風船を入れて膨らませ、胃の中の感覚を調べるバロスタット法というテストで、胃下垂の方は胃が健康な方に比べて、とても早い段階でつらさを感じることが分かっています。
胃の働きが低下し、過敏になった状態で食べものが胃に入ることで、胃が過剰に反応し、つわりを引き起こす原因になります。
3.胎児で胃が圧迫を受けやすいから
お腹の中にいる赤ちゃんが大きくなるにつれて、腹圧が上昇します。
胃下垂の方は、胃が正常な位置よりも垂れ下がることで、骨盤よりも低い位置にある方が多くいます。
そのため、胃が下垂していない方に比べると、子宮からの圧迫を受けやすい状態です。
妊娠によって子宮が大きくなり腹圧が高まると、胃を強く圧迫し、つわりを引き起こす原因になります。
4.便秘によって腹圧が上昇しているから
腹圧が高まると、内臓が圧迫を受け、腹部に鈍い痛みを感じます。
胃下垂の方は、胃が下垂することで腸を圧迫し、便秘になって困っている方が多くいます。
それに加え、妊娠するとホルモンバランスの変化によって、便秘や下痢といったお通じの不調が起きやすくなります。
妊娠中のため薬を控える人も多く、お通じのないまま何日も続いているという方も少なくありません。
腸に便が溜まることで腹圧が上昇し、胃を圧迫するため、つわりを起こす原因となります。
胃下垂の方のつわりへの対策
これらの原因によって、胃下垂の妊婦さんは、よりつわりに悩まされやすい傾向があります。
胃下垂自体を自力で改善することは困難です。
また胎児に影響を受けるのではないかと、妊娠中に治療を受けることに、不安を感じている方も多くいます。
そのため、ご自分で取り入れやすい対策としては、日々の食事を見直し、胃への負担を減らす方法があります。
1.野菜や果物を積極的に食べる
食べるものによって、胃酸の分泌量や、胃に留まる時間は変わります。
お肉や脂ものの多い食事は、胃酸の分泌量が多く、消化に時間がかかるため、胃腸に負担が大きくかかります。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なくすみ、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
また、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていて、腸の善玉菌を増やしたり、便通を促す効果があるため、胃下垂によって引き起こされる便秘などにも良い効果があります。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
2.よく噛んで消化を助ける
単純にして、とても効果の高い方法です。
厚生労働省は、一口に30回噛むことを推奨しています。
胃下垂の方は胃の働きが低下することで、消化が不十分になっています。
胃の消化を助け、吸収を良くするためには、よく噛むことが効果的です。
食べ物が小さく噛み砕かれることで胃酸の消化を助け、胃の中で撹拌しやすくなったり、腸に送り出しやすくなります。
噛む回数が少ないと、食物が大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化を助け、胃への負担を減らしてください。
3.水を積極的に飲む
胃腸を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
男性なら2~2.5リットル、女性でも1日に1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーやお茶の摂り過ぎは、カフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水ですることが重要です。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすことは、胃に負担をかける恐れがあるので、胃の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
つわりを気にせず、安心して妊婦生活を送れるように
まずはこれら3つの対策を取り入れてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでもお悩みの方
は、猫背などの不良姿勢の改善や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
*妊娠中は胎児に影響が出やすい繊細な時期です。体に害のない安心で安全な治療を受ける必要があります。どこでも治療を受けることをおすすめしているわけではありません。
つわりがあまりにひどく食事を満足に取れなかったり、妊娠中体の不調で常にストレスを抱えていることは、お腹の中の赤ちゃんにも良い影響があるとは言えません。
胃下垂は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
一日も早く胃下垂を良くし、安心して妊婦生活を送れるようになってください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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