なぜ胃下垂だと満腹感を感じにくいのか? その原因とは?
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも下に垂れ下がった状態を言います。
下垂することで胃の機能が低下してしまい、胃痛や胃もたれといった症状を引き起こしてしまいます。
また、胃の不調だけではなく、肩こりや冷え性など全身の問題を引き起こす原因にもなってしまいます。
胃下垂の方にみられる悩みの一つに、満腹感を感じにくいという問題があります。
いくら食べても満腹感を感じないため、自分でも食べ過ぎではないかと不安になるほど食べてしまうような方がいます。
また、食後すぐは満腹感を感じないのに、時間が経つと食べ過ぎに気付き、胃痛や胃もたれなどの不快な症状に悩まされてしまう方も多くいます。
満腹感を感じようと思って、お肉や脂っぽい食事を取っているのに効果がなく、胃もたれや胃痛の症状がきつくなってしまうと悩んでいる方も少なくありません。
なぜ、胃下垂だと満腹感を感じにくいのでしょうか?
また、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
胃下垂が満腹感を感じにくくさせる3つの理由
1.胃が下垂することで、容量が増えるから
健康な人の胃は、食べものの入っていないときは縮み、食事によって胃に食べものが入るときには広がるようになっています。
その大きさ(容積)は、一番小さいときでは50mlにまで縮むと言われています。
ところが、胃下垂の方は胃が下垂することで引っ張られ、胃が常時広がった状態です。
そのため、胃に食べ物が一杯になるのに、多量の食べものが入ることになり、満腹感を感じにくくなってしまいます。
2.胃の感覚が鈍くなっているから
食べもので胃が引き伸ばされたとき、胃は「食べもので胃が膨らんできた」という信号を出します。
脳の満腹中枢というところに信号が届くと、満腹感を感じます。
ところが、胃下垂の方は自律神経の乱れなどで胃の働きが低下することで感覚が鈍くなっていて、脳に信号が送られにくくなっています。
そのため、胃が食べものが一杯になってしばらくし、ようやく信号が届きます。
そして、胃下垂の方は消化の働きが低下しているため、いつまでも胃が膨らんで状態が続き、胃もたれを感じてしまうことになります。
3.消化が遅く、血糖値が上がりにくいから
満腹感を感じる要因の一つに、血糖値が大きく関係しています。
食べものの栄養を腸が吸収し、血糖値が上昇していくことで、脳が満腹感を感じます。
胃下垂の方は、胃の働きが低下するため、消化に時間がかかります。
また、消化したものを腸に送りこむ働きが低下しているため、胃の中に長時間食べものが留まりやすくなっています。
栄養を吸収する腸に食べものがなかなか送られないため、血糖値が上がらず、満腹感が得られにくくなってしまいます。
胃下垂の方が満腹感を感じやすくするための対策とは?
胃下垂の方が、満腹感を感じにくくなっている原因には、胃が下垂することで、胃の働きが低下している影響が大きく関係しています。
そのため根本的な解決には、体質を改善していく必要があります。
ですが、胃下垂自体を自力で改善することは困難です。
そのため、ご自分で取り入れやすい対策としては、日々の食事を見直し、胃への負担を減らすことが大切です。
胃への負担を減らし働きを良くすることで、消化や吸収が良くなり、満腹感を感じやすくなります。
1.野菜や果物を積極的に食べる
満腹感を得ようと思って、お肉や脂ものを積極的に食べる方がいます。
これらの食事は、消化や栄養の吸収に時間がかかります。
胃の中で食べものが留まり続けるため満腹感を感じにくく、時間が経ってから胃もたれや胃痛などの胃の不調を引き起こす原因になります。
野菜や果物は、胃酸の分泌量も少なくすみ、消化にかかる時間も短くすむため、胃に優しい食材です。
意識して食事に野菜や果物を取りいれるようにしてください。
また、同じ食事を取っていても、食べる順番によって胃にかかる負担は変わってきます。
野菜や果物は消化酵素によって消化を助けてくれたり、食物繊維が胃壁を守ってくれたりと、胃に良い効果があるため、野菜や果物を先に食べてからお肉などを食べると、胃への負担を減らすことができます。
2.よく噛んで消化を助ける
よく噛むことで消化を助け、食べすぎを防ぐことができます。
胃の消化を助け、吸収を良くするためには、よく噛むことが効果的です。
食べ物が小さく噛み砕かれることで胃酸の消化を助け、胃の中で撹拌しやすくなったり、腸に送り出しやすくなります。
噛む回数が少ないと、食べものが大きいため消化に時間がかかり、また撹拌する際にも大きな力を必要とし、胃の負担になります。
よく噛むことで消化や栄養の吸収を助けるだけではなく、満腹中枢を刺激し、食べすぎを防ぐ効果があります。
よく噛んで消化を助け、胃への負担を減らしてください。
3.水を積極的に飲む
胃腸を活発に働かせるには、十分なお水が必要です。
男性なら2~2.5リットル、女性でも1日に1.5~2リットルの水が摂取の目安になります。
コーヒーやお茶の摂り過ぎは、カフェインの利尿作用で、体の水分を減らしてしまいます。
嗜好品として飲むのは良いのですが、普段の水分補給はお水ですることが重要です。
*短期間で極端に水の摂取量を増やすことは、胃に負担をかける恐れがあるので、胃の状態を見ながら徐々に摂取量を増やしてください。
胃下垂を気にせず、安心して食事が取れるように
まずはこれら3つの対策を取り入れてみてください。
症状の程度の軽い方であれば、これらの対策でも十分な効果を得ることができます。
ただし、
- ・症状がきつく、生活に支障が出ている方
- ・症状が慢性化していて、薬では効果がみられない方
- ・すでに上記の対策を取り入れていて、それでもお悩みの方
は、猫背などの不良姿勢の改善や、自律神経のバランスの調整など、根本的な原因に対しての治療を受ける必要があります。
一般的に胃下垂は治りにくいとされている症状です。
ですが、胃下垂は満腹感の問題だけではなく、肩こりや冷え性、婦人科系疾患など、様々な不調を引き起こす原因になる症状です。
そのため、早い段階で対策を取り、改善することが大切です。
胃下垂は、引き起こしている根本的な原因を解決していけば、決して良くならない症状ではありません。
一日も早く胃下垂を良くし、安心して食事が取れるようにください。
→つらい胃下垂の症状を改善するために、治療を受けたいとお考えの方は、当院の胃下垂の施術をご覧ください
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