過敏性腸症候群の原因がスマホやタブレットの見方だった?
過敏性腸症候群の対策の多くは、食事内容を見直す、ストレスの解消に努めるというものです。
当院では多くの過敏性腸症候群の患者さんが来院されていますが、一般的にはあまり注目されていないにも関わらず、非常に大きな影響を与えている原因があります。
それは首への負担です。
当院に来院されたS君も、首が原因で発症していたケースです。
S君は来院当時、サッカーの好きな中学二年生の男の子でした。
過敏性腸症候群の症状に悩まされたのは、中学校に入学してすぐのこと。
食事の後、激しいお腹の痛みに悩まされます。
それからは毎日のように下痢に襲われ、時々学校を休むようになりました。
病院では過敏性腸症候群と診断され、薬を処方されましたが、良くなりません。
薬だけでは良くならないのかと、市販の整腸剤なども合わせて飲んだりしましたが、改善は見られませんでした。
(最近ずっとお腹が痛くてつらい……体育祭も休んじゃったし)
症状が悪いまま一年が過ぎ、近頃では一ヶ月ほど学校を休み続けるようになりました。
(お腹が痛くなくて、ふつうに学校に行きたいなあ。友達とサッカーもしたいし、勉強も集中したいのに、一体いつになったら治るんだろう……?)
治る兆しが見えず、むしろ悪化している状況にS君は不安になります。
学校の勉強や部活、様々な学校行事、自由に通えなくなればなるほど、普通にできるようになりたい欲求がつのります。
ご両親もきっと心配したことでしょう。
(この子の将来は大丈夫だろうか? 学校を休んで勉強についていけるんだろうか?)
S君が当院に来院されたのは、そんな学生生活に大きな支障をきたしていた頃でした。
お母さんと一緒に、遠方から電車に乗っての来院でした。
問診や検査の結果、S君には、食事やストレスについて、あまり問題がありませんでした。
細かい点でいえば改善した方が良い所もありましたが、大きな問題になるほどではありません。
一番問題となっていたのは、首のバランスの崩れと、日頃の姿勢による首への負担の蓄積でした。
日常生活についてお話を伺うと、問題となっている点が明らかになります。
S君は塾には通わず、タブレットで勉強しています。
アプリや動画を使ったいわゆるオンライン学習をしていました。
その時、人前に出ず自宅で勉強しているためか、姿勢も悪くなりがちだったのです。
机の上に置いて綺麗な姿勢でやるのではなく、タブレットが膝の上に置かれた状態でした。
またS君はゲームが好きで、スマホでゲームを長時間やっていました。
背中は丸く、頭がうつむき、首に大きな負担が長時間かかります。
これが自律神経の乱れる原因になっていました。
実はS君は、過敏性腸症候群だけではなく、小学5年生の頃から頭痛にも悩まされていました。
頭痛もまた首が大いに関係している症状です。
話を聞く限りでは、すでにその頃から首に負担がかかっていたのでしょう。
それが、今回の過敏性腸症候群も発症にも繋がっていました。
当院では内臓の働きを調整するような治療もしましたが、なによりもS君の首と姿勢を良くすることに力を入れました。
関節のバランスを整えたり、頭が前に突き出た状態だったのを、正しい位置への調整していきました。
当院が日常生活においてお伝えしたのは、タブレットを机の上に置いてもらうことです。
首の角度が少し変わるだけでも、負担が大きく軽減されます。
また丸くなった姿勢を戻すための体操もお伝えしました。
治療が進むにつれて、S君の姿勢が良くなっていきました。
前に突き出た頭が少しずつ肩の上の正しい位置へと戻っていきます。
それに合わせて、S君の症状は着実に改善していきました。
食後の腹痛も治まっていき、トイレにこもることも少なくなりました。
そして当初の予定していた治療期間が終わる頃には、S君の症状はすっかり良くなりました。
「おかげで学校を休むこともなくなりました」
今では学校も普通に通われています。
サッカー部で体を動かしたり、友達と遊んだり、あるいは行事に参加したり。
大切な学生生活を満喫しているでしょう。
過敏性腸症候群は首による影響がとても大きいです
過敏性腸症候群というと、多くの人はストレスを第一に考えます。
また、腸内環境を良くするためにヨーグルトや発酵食品を積極的に食べたり、整腸剤やサプリメントを飲む人も多くいます。
それらと比べると、大きな影響を与えているにも関わらず、首の重要性はほとんど知られていません。
過敏性腸症候群の方のかなりの割合で、首のバランスが崩れていたり、ストレートネックなどの何らかの首の問題を抱えています。
自律神経は脳から首の骨の中を通って、全身へと伸びていきます。
そのため、首に負担がかかると、神経の通りが悪くなったり、圧迫されることで自律神経の乱れを引き起こしてしまいます。
スマホ・タブレット・携帯ゲーム機などの普及で、小中学生でも首に負担をかけ、問題となっている方が増えています。
お腹の症状だけでなく、S君のように頭痛があったり、あるいは耳鳴りやめまい、首肩の強いこりがある方は、知らず知らずのうちに首に強い負担をかけている可能性が高いです。
- ・スマホなどをできるだけ目の高さに近づける
- ・机の上などに画面を立てて、首を曲げないようにする
- ・長時間使う時は、間に体操をするなど休憩を挟む
これらのちょっとした工夫で、使う時間が長い人ほど、大きな負担軽減になります。
もし過敏性腸症候群に悩んでいて、食事の改善やストレス対策をしても効果がないと悩んでいるようでしたら、首の負担を減らしてみてください。
当院での過敏性腸症候群の治療を知りたい方は、コチラをご覧ください。
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